米アマゾン、性的少数者を「精神疾患」と主張の書籍を販売停止に

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アマゾンは、3人の共和党議員に宛てた書簡の中で、自社のプラットフォーム上では、トランスジェンダーやその他の性的アイデンティティを精神疾患として描く書籍を販売しないと説明した。

アマゾンはこれに先立ち、保守派の作家が執筆した性的マイノリティに批判的な内容の書籍を同社のプラットフォームから削除しており、共和党議員らが説明を求めていた。

共和党議員のマルコ・ルビオらは、アマゾンが同性婚に反対する作家のライアン・T・アンダーソンの著作「When Harry Became Sally: Responding to the Transgender Moment」の販売を停止したことについて、説明を求めていた。この書籍は、2018年に発売された直後から、反トランスジェンダー的な内容が批判されていた。

アンダーソンは今回のアマゾンの決定について、「ジェンダーに絡む問題が社会に重大な混乱を生じさせていることは明らかだ。人々の議論を呼ぶ問題を、彼らは消し去ろうとしている」とツイッターで述べた。

アマゾンは先月、電子書籍版やオーディオブック版を含むアンダーソンの著作を、密かに販売停止にし、保守派の人々は同社の行為が検閲であると批判していた。

その後、共和党議員らがアマゾン宛ての書簡で、同社の行為が「保守派の米国人をプラットフォームから追放する試みだ」と非難した。

アンダーソンの2018年の著作は、でたらめな科学知識に基づいているとの批判を浴びていた。彼の以前の著作「Truth Overruled」も反LGBTQ+的な内容で、同性婚に反対する内容だった。

彼の作品に対する批判は、バイデン政権がLGBTQ+の人々に対する保護策を強化し、性的マイノリティに対する差別を禁止する平等法(Equality Act)の成立を目指す中で高まった。しかし、バイデンの政策は共和党議員や保守派の宗教団体などから強い反発を浴びている。

編集=上田裕資

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