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韓国のLG化学の電池部門であるLGエナジーソリューションは3月11日、EV(電気自動車)需要の伸びに対応するため、米国に45億ドル(約4900億円)を投資し、2025年以降の生産能力を70GWh(ギガワット時)追加すると発表した。

LGは、「プロジェクト・グリーン・フィールド」の一環として、ミシガン州ホランドにある工場の生産能力を拡大するとともに、今後4年間でさらに2つの工場を建設する。これらの工場の建設は、LGとGMが新型バッテリーの生産に向けて設立した合弁会社「ウルティウム・セル(Ultium Cells)」が建設する2つの工場に加えて行われる。

LGは、2021年6月までに2つの新工場の所在地を発表する予定だ。オランドにある現在の工場は5GWhの容量を持っているが、第1フェーズで追加される新たな施設によって拡大される。第1弾の新工場は、2023年までに稼働する予定だ。LGとGMの最初の合弁工場は現在、オハイオ州ロードスタウンに建設中で、35GWhの容量を持つ予定とされている。

LGの3工場とウルティウムの第1工場を合わせると、年間110GWh以上のセルを生産することになる。これは、EV1台のバッテリーセルが平均90kWh(キロワット時)とした場合、年間120万台以上の需要を満たすのに十分な量だ。

LGはまた、GMと第2のウルティウム・セルの工場の建設計画を進めていることを確認した。この工場はテネシー州スプリングヒルのGMの組立工場の近くに建設される可能性が高いと報道されている。この組立工場は、2022年初頭にキャデラック・リリックEVの生産を開始する予定だ。

新工場では、パウチ型セルと円筒型セルの両方のバッテリーを生産できる。LGは現在、中国で生産されるテスラの車両向けに、2170規格の円筒形セルを供給しており、ルーシッド・モーターズが2021年後半に生産を開始する際にも供給する予定だ。LGは、テスラが2020年9月のバッテリーデイで発表した新型の4680規格の円筒型セルを生産する予定かどうかについては言及を避けた。

記者発表の場で、バッテリーのサプライチェーンを強化しようとするバイデン政権の動きについて質問されたLGは、現在の米国市場向けのセルの材料は中国から調達しておらず、今後もその予定はないと回答した。

北米最大のサプライヤーに


今後数年間で電気自動車の普及率が大幅に拡大する中、業界が直面する最大の課題は、バッテリー用のセルを十分に確保することと、十分な充電インフラを整備することだ。LG化学は米国でのセル生産の拡大を発表した最新の企業であり、これまでのところ、北米最大のサプライヤーとなる見通しだ。

また、韓国のSKイノベーションも、LGとの間のバッテリーの営業秘密侵害訴訟に決着をつけることができれば、主要なプレーヤーとなるだろう。パナソニックも、テスラとの提携で存在感を示しており、今後もテスラとの提携を拡大する、もしくは、トヨタが北米でのEV生産を決定した場合にはトヨタとの提携を拡大する可能性がある。

さらに、GMやフォード、ステランティスらはいずれもセル生産に参入する計画を発表しており、クアンタムスケープ(QuantumScape)やSES(ソリッドエナジー・システムズ)などの新興企業も、固体セルの大量生産方法を確立できれば、主要なプレーヤーになる可能性がある。

編集=上田裕資

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