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カタール航空CCO Thierry Antinori チエリー・アンティノーリ

コロナ禍においても今後を見据えた投資を継続してきた、カタール航空。同社が挑戦を続ける理由を、CCO(最高商務責任者)のチエリー・アンティノーリに聞いた。


各国政府との連携により運航を継続


新型コロナウイルス感染症は私たちの生活に数々の変化をもたらした。なかでも海外渡航については、業務渡航、レジャ-などの個人旅行の別なく大きな制限を受けることになったが、これは各国の入国制限に加えて、数多くのエアラインが運航を停止したことも理由のひとつだ。

しかし、中東カタールのナショナルフラッグキャリアであるカタール航空はコロナ禍においても運航を継続、ハブ空港であるドーハ・ハマド国際空港と5大陸33都市を結び、1週間当たりの運航本数も150便を下回ることはなかった。

「各国の入国制限が厳しくなると、多くの航空会社は運休を選択したのです。当社は各国政府と連携を図り、帰国を望むお客様のために運航を継続しました。もちろん、機内だけでなく空港においてもガイドラインに沿った最新の安全対策を徹底したのは言うまでもありません」

そう語るのはカタール航空CCO(最高商務責任者)を務めるチエリー・アンティノーリだ。同社ではこれまでに470便以上のチャーター便や臨時便を世界中で運航しており、310万人以上の帰国を支援。日本に対しても成田=ドーハ線の運航を続けることでヨーロッパや中東へ帰国する人々のほか、JICAなどの公的機関や日系企業に勤務する日本人の帰国を支えてきた。

「現在では世界120以上の都市へ週800便の運航を行っていますが、3月末までには130都市以上へ運航スケジュ-ルを実現させる予定です」と、アンティノーリは続ける。

カタール航空はなぜコロナ禍においてもフライトを継続・拡大できるのだろうか。

航空業界をリードする衛生対策とは


「当社ではIATA(国際航空運送協会)やWHOが推奨する方法・製品を使用して入念な清掃と消毒を行っています。また、機内を再循環する空気中のウイルスや細菌を99.97%除去できる大型HEPAフィルターを備えています。昨年9月にはハネウェル社の紫外線キャビン洗浄システムを世界の航空会社に先駆けて導入しました。これはシートなどの客室表面に付着したウイルスや細菌を不活性化するもので、客室清掃時のリストに追加しました。機内は衛生面において、最高水準の環境を実現しています」


内清掃時にUVキャビンシステムを採用。指定された線量の紫外線を照射することでウイルスなどを不活性化する。


このほかにも機内ではマスクや手袋などの感染予防キットを配布、客室乗務員も個人用防護具を着用する。ハブ空港であるハマド国際空港では自立走行型の消毒ロボットが手すりや手荷物コンベヤに至るまで、15分おきに消毒を行っている。また、フライトごとに搭乗ゲートの消毒・清掃を行うほか、出発・到着・乗り継ぎ便のすべての手荷物まで消毒するという徹底ぶりだが、これら一連の体制が整ってこそ安全な運航が可能なのだ。

「パンデミックの初期段階から迅速に行動しており、皆さまに安心してご利用頂けるよう努力を重ねてきました。2020年2月から現在まで3万7000便を運航し、230万人以上のお客様にご搭乗頂きましたが、適切な対策を講じることで99.98%の乗客に感染リスクのないフライトをご利用頂けたという結果が出ています」

イギリスの航空サービスリサーチ会社であるSKYTRAX社では「新型コロナ安全対策評価」を実施しており、科学的な調査に基づいた評価を行っているが、カタール航空は世界で初めて五つ星を獲得したグローバルエアラインとなった。これは同社の対応が十分な効果を発揮していることの証明と言えるだろう。

未来に向けた投資と高品質なサービス


現時点において海外渡航のハードルは低くないが、今後は入国規制の緩和も予想されており、経済活動が活発になれば必要至急な出張も増えるに違いない。では、その際にあなたはどのような基準でエアラインを選ぶだろうか。

かつては運航スケジュールや快適性を重視する利用者が多かったが、欧米においては、航空会社による持続可能性への取り組みに注目が集まっており、新たな判断基準のひとつとなりつつある。

「持続可能性や環境への責任は私たちのビジネスにおける重要な鍵となっています。当社はエアバスA350XWBやボーイング787など、高い環境性能を実現した最新鋭双発機に積極的な投資を行ってきました。弊社はA350XWBのローンチカスタマーであり、53機を保有する世界最大のオペレーターとなりましたが、同機は燃料消費やCO2排出量を大幅に抑えることができます。また、経済性に優れる新型機だからこそ、航空需要が危機的な状況にあっても、安定したスケジュールでの運航が可能でした」


ローンチカスタマーとなったA350XWBをはじめ、200機を超えるフリートを保有。

このように未来を見据えた投資は特筆すべき点であるし、フライトの安全性や定時性にも直結する。さらに、アンティノーリは機材だけでなく、サービスにおいても持続可能性を重視していると続ける。

「2019年にはエコノミークラスの機内食をグレードアップしました。同時に使い捨てプラスチック製品の削減、個包装バターの無駄を減らすために特別な製法でつくられるロールパンの提供など、多岐にわたる改善を行っています。また、ゴディバチョコレートやスパークリングワインといった、エコノミークラスの枠を超えたプレミアムなサービスを提供していることも注目して頂けると嬉しいですね」

昨今は世界規模の危機的状況ゆえ、航空会社といえば安全性や信頼性が話題の中心になりがちだ。しかし、同社は利用者の投票により選ばれるSKYTRAX社の「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を5度受賞するなど、サービス品質についても高い評価を得ている。


最新機材の快適な客室空間、旬の食材を生かした機内食ほか、サービスレベルの高さは折り紙付き。


また、貨物輸送を担うグループ企業、カタール航空カーゴでは野生動物や絶滅危惧種の保護を推進しており、本来の生息地への無料輸送をスタートした。生態系を保つうえで動物は重要な役割を担っているが、同社では将来に向けた環境保護の一環としてこうしたプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。これは30機もの貨物機とグローバルなネットワークを有する世界有数の貨物航空会社らしい事業であるし、地球規模での持続可能性を重視する姿勢は高く評価されるべき点だろう。

「私たちは航空会社のなかで“最高”を目指しています。そして、そのための努力は惜しみません」というコメントでインタビューを結んだアンティノーリだが、コロナ禍における数々の挑戦を知れば、その言葉には一切の嘘がないことが理解できる。

最新の衛生対策と運航機材、充実したサービスを兼ね備えるカタール航空は、積極的に選ぶべき価値がある新たなグローバルエアラインの理想型なのである。

カタール航空
https://www.qatarairways.com/ja-jp/homepage.html


Thierry Antinori チエリー・アンティノーリ◎1961年、フランス生まれ。名門エセックス・ビジネス・スクールを卒業後、経営コンサルタントとしてフランス国内で勤務。30年以上にわたり航空業界の幹部職を歴任し、商務・マーケティング・製品管理を担当。航空大手数社の大規模な再編や改革に携わってきた。現在はカタール航空CCOを務める。

Promoted by カタール航空 / text by Takayuki Murata

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