ビジネス

2021.06.13

ロシアからの提言 コロナ時代こそ自分の英語を恥じず海外市場へ

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すべてを自分でやろうとするな


「うまくやりたいなら、独力でやりなさい」という格言は、グローバル市場へ打って出ようとする企業には当てはまらない。経営資源を節約するためにも、自社の強みと関わりのない業務は外注したほうがいい。たとえば、コールセンターや物流ソリューション、経理などの機能は、提携先に委託するといいだろう。

しかし、顧客とのやり取りや営業活動は、決して間違った相手に委ねてはならない。もちろん、営業方式の相違点を十分に調査すべきではあるものの、ここは自力で取り組む必要がある。営業機能を最初から現地の提携先に委託すると、重大な失敗につながりかねない。委託できるのは、現地の需要や顧客の行動を調査し尽くして、営業の仕組みを明確に作り上げて、仕組みが機能することを確認できた場合だけだ。

最初の段階で焦点を絞らないのも、重大な過ちだ。たとえば、ベンチャー企業がさまざまな顧客層にできるだけ多くの商品を届けようとする状況である。これにより、最初から労力が分散されてしまうのだ。

自国らしさを最も継承する存在は誰か? 

向き合うべきは買い手だ。オンライン取引は、顧客との関係の築き方が重要になる。計画に則って動き続ければ、何倍もの成果になって返ってくる。小さな労力から大きな成果が生まれるのだ。最初は、主な方向性を決めて、その分野に専念しなければならない。労力を分散させるのは、その後の段階でいい。

グローバル化世界で「発音を恥じる」はナンセンス


新しい市場では、自分の意識が「よそ者」に変わるため、その点を怖がって果断な行動を控える経営者も多い。経営者が安心できないという理由だけで、企業が新たな地平を開拓することも、持てる可能性を発揮することもなくなってしまう。

しかし、これは見当違いな考えだ。グローバル化された現代の世界で、話す英語になまりがあるかどうかは問題にならない。どちらにせよ、現地に行けば翻訳者の助けを借りられるからだ。国外の提携先が重視するのは、とにかくイノベーションだ。新たな知見をもたらし、将来を示し、今とはまったく異なる生活に変えてくれる企業を求めているのだ。

本当に相手の役に立つような新商品やサービスを提供できれば、「地元企業ではない」という点は差し引いて考えてもらえる。現地の人々から深い敬意を持って扱われ、信用という栄誉も得られるはずだ。

翻訳=加藤今日子 編集=石井節子

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