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2021.03.18 16:45

日本で新店舗も。テックアクセサリー売上世界トップCASETiFYがD2Cで目指す高み

CASETiFYが香港でオープンする実験的な旗艦店

CASETiFYが香港でオープンする実験的な旗艦店

香港を拠点とする、スマートフォンケースなどのテックアクセサリーブランド「CASETiFY(ケースティファイ)」が、2020年に吹き荒れた逆風をものともせずに躍進している。

同社は、2011年に「Casetagram」として創業者兼CEOのWes Ng(ウェス・ウン)によって設立された。インスタグラムのフォロワーが200万人を超えるブランドとしてスマートフォンケース市場に劇的な変革をもたらし、今ではテックアクセサリーブランドとして世界最高の売上高を誇る。

小売業全体が不振に見舞われるなか、香港は一段と厳しい状況に直面している。この一年、社会情勢の不安と感染症のパンデミックがあいまって売上は急落し、観光産業は壊滅状態だ。にもかかわらず、ショッピングモールの来店客数はクリスマス商戦のピーク時に引けを取らない。CASETiFYは将来の展望は明るいとみて、香港の高級ショッピングモール「ランドマーク」に、同ブランドの公式旗艦店となる常設店をオープンした。日本にも進出し、さらなる店舗拡大を視野に入れている。

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スマートフォンケース市場を一変させた共同創設者でCEOのウェス・ウン

SNSを味方につけたD2Cブランド、オフラインにも躍進


2011年にD2C(Direct to Consumer、消費者直接取引)ブランドとしてスタートしたCASETiFYはインスタグラムをはじめとするソーシャルメディアと密接につながっており、今なおその結びつきは大きい。

「ソーシャルメディアは我々の大動脈であり、DNAだ」とウェス・ウンは言う。「オンラインを超えてアピールする必要がある。そこで、客に直接会えるオフラインの場所を持つのもいいのではないかと考えた」。

カイリー・ジェンナーのような影響力の大きいインフルエンサーに加え、TikTokを利用する若者たちがアンバサダーとなって商品を紹介することで、主たるターゲット層であるミレニアル世代やZ世代は商品に飛びつく。一方、実店舗ではミレニアル世代でも年齢の高い層やベビーブーム世代の顧客を取り込む。幅広い世代にアピールするには、複数の販売チャネルを持つことが大切だ。
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翻訳・編集=北綾子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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