加熱する「NFTアート」市場、宇宙人のCG画像が8億円で落札

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クリプトパンク(CryptoPunk)と呼ばれるデジタルアート作品の中の1キャラクターに、驚くような値がついた。帽子をかぶり、サングラスをかけてパイプを吸う、青緑色の顔の宇宙人を描いたCGアバター(CryptoPunk #7804)が3月10日、4200イーサリアムで販売されたのだ。



これはドルに換算すると約750万ドル(約8億1400万円)という価格だ。クリプトパンクは2017年にノン・ファンジブル・トークン(NFT)のパイオニア作品として登場し、1万体が存在するが、CryptoPunk #7804はその中で最高額となった。

NFTのデータ集約サイトであるCryptoSlamによると、CryptoPunk #7804は、今から約3年前の2018年1月に最初に購入されたが、その際の価格は12イーサリアムだった。その後、今年に入り再び売りに出されていた。

先月の時点で、最も高額なクリプトパンクは、2月19日に売却されたフェドーラ帽をかぶった猿のキャラクター(CryptoPunk #6965)で、800イーサリアム(当時の価値で150万ドル)の値がついていた。

クリプトパンクは、アルゴリズムで生成された24x24ピクセルのアート画像で、ニューヨークのソフトウェア会社Larva Labsが2017年に公開した。1万体の所有権はすべて、イーサリアムのブロックチェーンに記録され、その希少性が担保されている。

公開当初は、イーサリアムのウォレットを持っている人なら誰でも、クリプトパンクを無料で入手できたが、今ではマーケットプレイスで高額で取引されており、希少性が高いキャラクターは特に高額となっている。ほとんどのキャラクターは「パンクな見た目の男性や女性」だが、猿やゾンビ、エイリアンは数が限られており、特に宇宙人は最も希少で、9体しか存在しない。

直近の1カ月間で、2199体のクリプトパンクがマーケットプレイスで販売されており、総売上は1億ドルを超えている。

クリプトパンクは、NFT分野で最も高額なキャラクターを送り出してきたが、3月11日には、クリスティーズに出品された米国のアーティスト、ビープル(Beeple)の作品が6930万ドル(約75億円)で落札され、NFT史上最高額となった。

編集=上田裕資

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