自動車好きにとってのヒーローといえるのが、小さな巨人とも称される英国生まれのミニだ。1959年にオリジナルが誕生し、キュートで、高品質で、使い勝手のよいサイズで、多くのひとを惹きつけた。
そのうちのひとりが、英国人ファッションデザイナーのマリー・クワント。自作のショートショートスカート(当時の一般的な呼び名)を、ミニスカートとしたのも、ミニ(クルマ)愛ゆえだとか。
いまのミニは2000年にあらたなブランドとして構築された。当時のミニを彷彿させるスタイリングとモデル構成のたくみさで、世界中でファンを獲得している。
例えば、ミニ・クロスオーバー。オリジナルのミニのステーションワゴンの現代的解釈だ。2010年に初代が、17年に2代目が登場。ゆとりのある大きいボディと、高い操縦性というオリジナルの持ち味を進化させ、洗練された都会的なSUVとしてリ・スタイルされている。
20年秋にマイナーチェンジ。ヘッドランプが長方形になり、タイヤハウスまわりの乱流をふせぐ縦型エアインテークが設けられた。開口部の増設はスポーティな雰囲気に寄与。内装面では、一部モデルにフル液晶のメーターパネルが新採用だ。
ガソリンエンジンの標準モデルに加え、高性能志向の「ジョン・クーパー・ワークス」、燃費重視には「ディーゼル」、環境派には「PHEV(プラグインハイブリッド)」と、選択肢が多いのもライフスタイルカーといわれるゆえんだ。
乗ったら楽しそうと、期待がふくらむ。正しくブランドを継承している製品だ。
THE NEW MINI CROSSOVER COOPER SD ALL4.
駆動形式|四輪駆動
全長|4315mm
全幅|1820mm
全高|1595mm
最高出力|140kW/190PS
価格|5100000円から(消費税込み)
問い合わせ|MINIカスタマー・インタラクション・センター 0120-3298-14
デザイン性に優れたMINIの世界を広げるコラボレーション
ライフスタイルブランドを標榜するミニでは、クルマ周りの世界を“デザイン”するのにも熱心に取り組んでいる。最近だと、2015年のミラノデザインウィークでマドリード出身の工業デザイナー、ハイメ・アジョンと組んで近未来都市の提案を行った。2019年には、クルマづくりのノウハウを注ぎ込んだという触れ込みのシェアスタイル住宅の提案「ミニ・リビング」を上海で実現して話題を呼んだ。
そして2020年11月に発表されたのが、英国のファッションデザイナー、ポール・スミスとのコラボレーションだ。スミス氏とはかつて1999年に40周年を記念してコンセプトモデルを発表。そののち限定モデルが発売された。前者はマルチカラーの塗り分けが楽しかった。今回は「サステナブルなデザインソリューション」とミニのデザインをひきいるオリバー・ハイムラーは言う。詳細は追って発表される。