今回のサイバー攻撃が確認され始めたのは、1月のことだった。マイクロソフトによると、攻撃を行っているのは中国政府の支援を受ける「ハフニウム(Hafnium)」と呼ばれるハッカー集団とみられるが、中国政府は関与を否定している。しかしセキュリティー専門家らは、過去数週間に起きたハッキング件数の多さから、他のハッカー集団もこの欠陥を利用していると考えている。
対応を迫られた米国のバイデン政権は、「全政府を挙げて」対処している表明。マイクロソフトを含め、電子メールサービスを提供している各社は、今後の政府の対応を注意深く見守ることになる。しかしこうした企業にとっては安心できることに、ハッカーの標的とされている電子メールが企業のコミュニケーションツールから消えることはしばらくないだろう。
調査会社インフォテック・リサーチ・グループのアナリスト、トーマス・ランダルは、スラックやチームズなどのメッセージサービスは同時にコミュニケーションを行うのには適しているが、同時ではない方法で情報を共有する上ではまだ電子メールに及ばないと述べている。
電子メールとメールアドレスのシステムが世界共通であることからも、電子メールは規模の点でメッセージサービスをしのぐものだ。インターネットの「ゴキブリ」はこれからも長い間生き残ることになるだろう。