サウナの科学。「うつ病に効果がある」とされる理由とは?

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軽いうつ病の人を改善させるというデータも


私自身、一度、うつ病を患っている方と一緒にサウナに入ったことがあります。その方は、長年うつ病を患っていらっしゃって抗うつ薬が手放せない状態だったそうです。私が出演したテレビのサウナ特集をみてサウナに入ったところ、薬がなくても数日間は非常に調子良く過ごせるようになったとのことでした。実際に一緒に入ってみると、2セット目以降は別人のように動きが速くなり、話し方もスムーズになりました。あまりにも変化が劇的だったため、とても驚きましたが、もちろん、これは被験者が1人しかいないため、これだけで科学的な議論をすることはできませんし、効果があると断定はできません。

ただ、軽度な抑うつ状態にある患者さんを対象に行われた研究では、サウナを繰り返す(60度のドライサウナに1日1回週5回計20回)ことで、空腹感や身体的愁訴、リラクゼーションのスコアが改善したという報告があります。このレポートでは、食欲不振と自覚的愁訴がある、軽度のうつ病患者に対して、サウナの反復投与が有用だと結論づけています。(Repeated Thermal Therapy Diminishes Appetite Loss and Subjective Complaints in Mildly Depressed Patients,Psychosomatic Medicine,2005

「サウナ」と「うつ病」の研究については、まだまだこれからです。私自身も注目していきたいと思っています。

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