経済・社会

2021.03.11 17:00

メーガン妃批判で降板のキャスター、「姿勢は変えない」と強調

ピアース・モーガン(Photo by JORAS/GC Images)

ピアース・モーガン(Photo by JORAS/GC Images)

英王室を離脱したヘンリー王子の妻、メーガン妃を中傷するような言動により国内で最も視聴者の多い朝の情報番組の一つを降板することになったピアース・モーガンは、それでも同妃に対する考えを変える気はないようだ。

米国の人気TV司会者オプラ・ウィンフリーの質問に答えたインタビュー(米国では3月7日、英国では8日に放送)で、メーガン妃はいくつもの衝撃的な告発をした。その同妃についてモーガンは9日、司会を務めていた『グッド・モーニング・ブリテン』で、「“一言たりとも”信じていない」と発言。同妃を厳しく批判した。

メーガン妃はインタビューの中で、人種問題について語り、英王室の一員として公務を行っていた間に自殺を考えていたことがあると告白。王室の高位の職員に治療を受けたいと願い出たが、拒否されたことを明らかにした。また、ヘンリー王子は、夫妻が英国を離れた「大きな理由の一つ」は、人種差別だと認めている。

こうした一連のメーガン妃の訴えについて、モーガンは番組を降板した翌日も、「彼女の口から出てくる言葉は、ほぼすべてが信じられない」とコメント。9日朝の番組内での自身の発言を繰り返した。

降板についてモーガンは10日、ロンドンの自宅前で報道陣に対し、「常に話し合いを続けている」と述べ、現状については「一時的な休止」だと説明。同日にはツイッターに、「言論の自由は、これについては絶対に曲げられないと思う重要な問題だ」とコメントした。

この投稿には、「自分は自由に好きなことを言える、というのが言論の自由だと考え、誰かに何か言い返されると激怒する人たちがいる」 というウィンストン・チャーチル元首相の言葉も引用している。

モーガンが9日の番組放送中に突然その場から立ち去ったのは、共同司会者からメーガン妃に関する中傷的なコメントについて指摘された直後。英情報通信庁(Ofcom、オフコム)にはこの日のうちに、4万件以上の苦情が寄せられたという。オフコムはヘンリー王子夫妻に関するモーガンの発言について、調査を開始している。

王室へのダメージを懸念


ヘンリー王子夫妻が初めて2人そろって応じたウィンフリーとのインタビューは、王室を非常事態に陥らせている。

放送の直前、英タイムズ紙はメーガン妃が過去にケンジントン宮殿のスタッフをいじめていたとされる問題を報道。バッキンガム宮殿はそれを受け、「調査を開始する」と発表した。同妃はその記事に対し、自らに対する「人格攻撃」だと反発するとともに、疑惑を否定している。

モーガンは以前から、夫妻に対して特に批判的なことで知られる一人。ウィンフリーとのインタビューの中でメーガン妃が述べたことについて、次のように非難している。

「フィリップ殿下の入院中に、彼女が英国の君主制と女王に与えたダメージは、計り知れないほど大きいと思う。率直に言って、軽蔑に値する」

編集=木内涼子

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