米国の歴史を感じられる13のホテル


フェアモント・コプリー・プラザ


1912年にオープンした同ホテルでは同年、ケネディー元大統領の母ローズ・フィッツジェラルドが社交界デビューを果たして以来、ケネディー家のさまざまなイベントが催されてきた。

ホテル前面のフランス・ベネチアのルネサンス様式の装飾は、コプリーの姉妹ホテルであるニューヨークのプラザ・ホテルを設計した建築家ヘンリー・ジェーンウェイ・ハーデンベルクが手掛けたもの。

同ホテルを訪問した米大統領はケネディ大統領だけではない。ウィリアム・タフト以降、全ての米大統領が同館を利用している。

ザ・アメリカン・クラブ


ジョン・マイケル・コーラーが1873年にバスタブを発明して以降、ウィスコンシン州コーラーでは工場が建設され、バスタブ製造のため多くの移民が採用された。労働者と家族のため、1918年にはダイニングルームやパブ、ボーリング場、理髪店などが併設された寄宿舎が工場の向かいに建てられた。

コーラーでは現在も浴室関連事業が盛んだが、チューダー様式のれんが造りの寄宿舎は五つ星のスパを持つ高級ホテルへと生まれ変わった。

ウィリアムズバーグ・イン


スタンダードオイル創設者ロックフェラーの息子であるジョン・ロックフェラー2世は1927年、米南部を車で移動していたところ、当時荒廃が進んでいたバージニア州ウィリアムズバーグに立ち寄った。

ウィリアム・アンド・メアリー大学のある教授はロックフェラーに、街のコロニアル様式の複数の建物を復元し、当時の暮らしを再現した歴史博物館にすることを提案。ロックフェラーはそのアイデアを採用し、野外博物館のコロニアル・ウィリアムズバーグを建設した。

ロックフェラーの同市訪問から10年後の1937年、野外博物館の訪問者が滞在できる威厳ある同ホテルが歴史地区の隣に建設された。

同館は19世紀のリージェンシー様式を採用している。またインテリアデザイナーは、歴史学者や古文書保管の専門家らと協力して当時の生活を細部まで正確に再現している。

ザ・グリーンブライアー


米独立戦争中の1778年に開館した同ホテルは、ウェストバージニア州ホワイト・サルファー・スプリングスにある。過去には天然鉱泉を目的として旅行者が集まっていて、現在でもホテルのミネラルスパが呼び物となっている。しかし、魅力は鉱泉だけではない。

同ホテルは第2次世界大戦で病院として使用された後、著名デザイナーのドロシー・ドレーパーが大胆で明るいプリントを施し、より印象的なデザインを実現した。ホテルは現在ウェストバージニア州知事でビリオネアのジム・ジャスティスが所有し、何度も改修を重ねながらも昔の南部風の上品さや優雅さをとどめている。
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翻訳・編集=出田静

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