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ファルグニ・ナヤル/Getty Images

美容業界で「インド版セフォラ」と呼ばれるEコマースサイトが「Nykaa(ナイカ)」だ。パンデミックの影響で自宅に閉じこもったインドの消費者が、あらゆる美容アイテムを、Nykaaのストアで買い求めた結果、2021年3月までの1年の売上は、前年度の2億4700万ドル(約268億円)から40%増加する見通しだ。

資産管理会社フィデリティ・マネジメントと、TPGグロース・キャピタルの出資を受けるNykaaは、年内のIPOを準備中で、評価額は約30億ドルになると予想されている。同社は今月末に最新の資金調達ラウンドを完了させる予定で、女性創業者のファルグニ・ナヤル(Falguni Nayar)の保有資産は10億ドルを突破し、バイオテクノロジー企業Biocon創業者のキラン・マズムダル・ショウに次ぐ、インドで 2 番目に裕福な叩き上げの女性富豪になる見通しだ。

コンサルティング会社Technopakによると、インドの美容及びパーソナルケア市場は2018年の130億ドルから2023年には230億ドルに成長する見通しという。

元銀行員のナヤルは、2012年にKotak Mahindra銀行の投資銀行部門を離れた後、49歳の時にNykaaを創業した。家族の貯金の200万ドルで事業を立ち上げた彼女は、世界的人気の美容E系コマースのセフォラのインド版を作る時が来たと考えた。

Nykaaという名前は、サンスクリット語で「スポットライトを浴びる人」を意味する単語のNayakaに由来する。同社はEコマース事業から始動したが、リアル店舗事業にも進出し、現在34都市に70店舗を構え、ウェブサイトとアプリの訪問者は月間6000万人に達している。

Nykaaは、クリニークやボビイブラウンなどの高額ブランドのアイテムのオンライン販売でインドの美容市場を席巻し、偽物があふれる市場の中で信頼を獲得した。

Nykaaは値引き販売を行わず、告知には主にインフルエンサーを活用した。その後、実際に商品に触れてみたいという消費者のニーズに応えるために、2015年にデリーに最初の店舗をオープンした。昨年ユニコーンになったNykaaは、これまで累計7000万ドルを調達している。

ボリウッド女優とのコラボでも注目


創業者のナヤルは、これまでいくつもの困難に直面した。Nykaaからは創業後の4年間で3人のCTOが離脱した。ナヤルは銀行業界のベテランであるにもかかわらず、当初は資金調達に苦戦した。

Nykaaは、インドを代表する美容系Eコマースサイトに成長した現在も、デパートチェーンのショッパーズ・ストップや、アマゾンなどの競合との戦いに直面している。

しかし、ナヤルは家族の力強いサポートを受けており、30歳になる双子の息子のAnchitはオンラインビジネスを統括し、娘のAdwaitaは急成長を遂げているファストファッション部門Nykaa FashionのCEOを務めている。

Nykaaは2019年にボリウッド女優のカトリーナ・カイフと合弁会社を設立し、新しい化粧品ラインのKay Beautyを立ち上げたことでも注目を集めている。

Technopakのアナリストは、インドの美容ビジネスの活況が今後も続くと予測している。

「パンデミックによってもたらされたデジタルアクセラレーションは、すべての美容関連とウェルネス関連の企業に恩恵をもたらすだろう。Nayarは今後も、スポットライトを浴び続けることになる」と彼女は指摘した。

編集=上田裕資

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