ゲイツは3月9日のニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、「ビットコインは、1トランザクションごとの電力消費量が、人類が知っている他のどの方法よりも多い」と語った。ゲイツは、自身が「ビットコイン懐疑論者」だと話し、「気候に良い影響を与えない」と述べた。
オランダ中央銀行のデータサイエンティストのアレックス・デ・ヴリースは、ビットコインが生み出す二酸化炭素(CO2)が、1トランザクションあたり300kgと試算したが、これはVisaカードの約75万回分の決済が生み出す二酸化炭素の量に匹敵するという。
ビットコインを含むほぼすべての暗号通貨が、取引履歴の透明性とセキュリティを守るために、パブリック・レジャーと呼ばれる公開台帳にすべてのトランザクションを記録している。公開台帳を維持するためには、常にブロックと呼ばれるストレージを拡大していく必要がある。
ブロックはマイナー(採掘者)によって作成され、彼らはその作業からビットコインを獲得するが、その際に年間78.5Twh(テラワット時)という一定規模の国家と同程度の電力を消費している。
この問題をさらに悪化させているのが、マイニングのネットワークの大部分が石炭などの化石燃料から電力の多くを調達する中国に拠点を置いていることで、そのエネルギー消費量は暗号通貨の人気の高まりを受けて、2017年から10倍に急増している。
「暗号通貨をポートフォリオに追加することは、環境にマイナスの影響を与えることになる」とバークレイズ・プライベートバンクの主任アナリストのGerald Moserは述べている。マイニング機器の寿命が18ヶ月程度であることを考慮に入れると、マイニングはルクセンブルクなどの国家と同じ規模の、電子廃棄物を発生させるという。