モダンに再解釈された2ウェイバッグ

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は3月号(1月25日発売)より、「サムソナイト」のバッグパックをピックアップ。


森岡 弘(以下、森岡):新型コロナウイルスの影響で、自宅などでリモートワークをしているビジネスマンが増えたこともありますが、ここ数年で本当にビジネスマンのスタイルが大きく変わりました。その顕著な例がバックパックではないでしょうか。

小暮昌弘(以下、小暮):電車に乗ると多くのビジネスマンがバックパックを背負っていますからね。もはやバックパックはビジネススタイルの定番になった感じです。

森岡:今回紹介するのはアメリカを代表するラゲッジブランド「サムソナイト」がデザインしたバックパックです。

小暮:1910年、アメリカのコロラド州デンバーで創業された老舗ですね。創業者はジェシー・シュウェイダー。始まりはトランク製造会社で、次々と革新的なトラベルケースを発表して世界中で愛用されました。最近はビジネス用のバッグのコレクションが充実しているようですね。

森岡:そうなんですよ。なかでもバックパックは豊富なデザインが揃っています。

小暮:今回取り上げるのは同ブランドの「サブ-リム(SUBLIM)」というシリーズのバックパックですね。

森岡:「SUBLIME(壮厳な、気品ある)と、「SMART」「UTILITY」「BAG」という単語の頭文字から名付けたビジネスバッグのシリーズで、スポーツ、アスレチック、アウトドアといったトレンドをビジネスカテゴリーに落とし込んだデザインが特徴です。最近は、ビジネススタイルもONとOFFの境界線がなくなりつつありますので、そういったトレンドにもマッチしたデザインだと思います。軽くて、ポケットがたくさんあって、使い勝手がとにかくいい。しかも買いやすい価格帯で製作されている点も素晴らしいですね。

小暮:バックパックでも初めからビジネスシーンを想定しているので、デザインがスタイリッシュですね。しかも2ウェイ仕様で、バックパックとしてもブリーフケースとしても使えます。

森岡:通勤や会社までの道のりはバックパックとして使い、商談などで相手側の会社に行くときにはブリーフケースとして使う。こうした使い分けができます。しかもこのバッグはバックパックのショルダーを背面にしまい込むことができます。これはすごくいい。ブリーフケースとして持ったときにストラップが邪魔にならないし、見た目もいい。ブリーフケース持ちにしたときのことを考えて、内装と外装のポケットもL字型に配置されています。ポケットへのアクセスもスムーズです。パソコン用のポケットも内装からも外装からもアクセスできます。
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photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure|fashion direction by Hiroshi Morioka | edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN No.077 2021年1月号(2020/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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