ビジネス

2021.03.12

できっこないに挑み続ける。「ファンとともに」エンタメの新たな楽しみを


大久保:実績や社会的意義も含めて、本当に素晴らしいと思っていますから(笑)。起業家としての平良さんは、ポジティブに猪突猛進に世界をつくっていくことが優れていると感じます。21年2月には、スタジオ事業も開始されるのですが、音楽愛が強くて、その目線に立った「本当にいいこと」をやる。中長期的な視点で「正しいこと」に大きくベットして挑戦していくことが素晴らしい。

平良:スタジオは、オンライン音楽ライブ配信の支援をしているなかで、もっとアーティストのため、ユーザーのためになる、音楽ライブ配信の解を出すための壮大な実験場をつくろうかと。自分でもわかっていますが、まったくロジカルではない(笑)。

ただ、コストも抑えられ、いい質のライブが配信でき、ユーザーが楽しめる解が見つかれば、ビジネスになるだろうと。Faniconは「With fan,More fun.」をコンセプトとしていますが、その延長線上です。

今後の戦略についても、このコンセプトにどれだけ忠実にサービスとして実現できるか、だと考えています。「With fan」は海外なども含めて多くのファンとともにできるのではないか、「More fun」は楽しみを増やすといったときに、オフラインも含めて、まだまだやれることがあると思っていますから。

大久保:平良さんたちが挑み続けていれば、もっともっと面白くなると思っているので、「愛と熱」をもち続け、できっこないに挑み続けてほしいですね。


おおくぼ・こうへい◎YJキャピタル・インベストメントマネジャー。東京工業大学大学院卒業後、ヤフー入社。2017年10月にYJキャピタルに参画。主な投資先は、ココン、ベルフェイス、モノカブ、Gracia、Shippio、Virtusixeなど。

たいら・まさと◎THECOO代表取締役CEO。一橋大学社会学部卒業後、伊藤忠商事、ドコモAOL、SONYを経て、2007年米グーグルに入社。10年からは統括部長として第二広告営業本部を立ち上げた。14年1月に同社創業。三度の飯よりロックが大好き。

文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN No.078 2021年2月号(2020/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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