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ウォルマートが2013年に米国製品の販売に力を入れる取り組みに着手したのは、組合からの批判があったからだ。また、低価格を重視することで、米国の雇用に損害を与えているという声もあがっていた。

米シンクタンク経済政策研究所(EPI)によれば、米国の製造業界では1997年以降、9万1000件以上の工場が閉鎖され、500万人近くの雇用が失われた。2016年から2019年にかけて、およそ50万人の雇用が回復したが、それは減税と連邦政府の多額支出に促されて国内購買力が高まったためだ。とはいえ、数年前に取り戻された雇用は、コロナ危機で帳消しとなり、2020年には74万人以上が職を失っている。

ファーナーはこのたびの発表で、サウスカロライナ州アンダーソンの企業テクトロニック・インダストリーズ(Techtronic Industries)を紹介し、従業員1500人の同社工場は、今後2年で人員を倍増させる計画があると述べた(この工場は、ウォルマートの実店舗とオンラインストアで販売されている工具を組み立てている)。

「こうした喜びを、米国のほかのコミュニティでも多く実感してもらいたい。だからこそ私たちは、米国製品にさらに力を入れていくことに決めた」

ウォルマートはまた、米国内のいくつかの戦略的地域において、「American Lighthouses」と称した協力プログラムをスタートさせる。これは、米国での製造を阻むトップダウンの障害を解明し克服するため、米国内の特定地域の主要利害関係者を結びつける試みだ。製造業者やNGO組織を含むサプライヤーのコミュニティ、大学や政府自治体、地元の経済開発組織のリーダーなどが力を合わせることになる。

鍵となる地域と多様な利害関係者が手を結ぶことで、サプライチェーンの効率向上が可能となり、それがひいては、長期にわたって持続可能なかたちで米国の製造業を復活させるという目標の達成を助けることになる、とウォルマートは確信している。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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