「全国に拠点があったら人生楽しそうじゃないですか?」とLACを利用するフリーランスの話


映画祭は卒業と重なるなどタイミングが合わずに実現できなかったが、この衝撃を伝えるべく鎌倉の街の人を通して街の魅力を伝えるフリーペーパー「KAMAKURA」を創刊した。

以来、宮部さんは地域コミュニティや街づくりに強い関心を抱いていく。大学院で地域ブランディングや地域愛の形成についての研究を行ったのちに、暮らし領域でのサービスを展開する「ライフル」へ入社。8年勤務した昨年退社し、ローカルフリーランスとなった。

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鎌倉のスパイス会社「アナン」とはスパイスカレー講座を月イチで開催。受講者を募りオンラインで展開している。

単純な“お金儲け”には面白みを抱かない宮部さんは、いろんな地域の人とつながり、暮らしに触れられる生き方が豊かだと感じる。

公私で地域を巡るのはそのため。そして友達だけれど仕事やプロジェクトがあった際にはビジネスパートナーにもなっていくつながりを、全国で増やしていきたいという。

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福島県いわき市にある古民家カフェ「HITO-TABI」には雑誌の取材で訪問。地域には個性的な場が増えていると感じる。

都心の一軒家よりも、各地に拠点を


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地元・鎌倉にもうすぐLACが誕生する。宮部さん(手前中央)もプレオープンの手伝いに姿を見せた。

全国の各地域に仲間を作っていきたい宮部さん。それは鎌倉という明確な本拠地を持つからこその考え方でもある。

「僕はノマド的にさすらうよりも、拠点は鎌倉に置きながら地域へ赴くライフスタイルがいいなと思うタイプ。ちゃんと根を下ろした“自分の場所”があり、そことは別に気兼ねなく行けるスポットが全国にいくつかある。そこにはコミュニティがあり、仲間がいる。そういう暮らしが理想なんですよね」。

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時間と機会があればできる限り地域へ。鎌倉にはない光景に心を弾ませ、新しい人との出会いを通して土地柄を知ることに喜びを感じる。

理想の暮らしを築くうえで、個人メンバーの場合は月額2万5000円で各施設を利用できるLACは便利。今は1カ月に1〜2回の利用が現実的だというが、今後は季節に合わせ、その地域の一番いい時期に短期滞在するといった使い方もしたいと話す。

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その土地の風土を知り、地元の人との出会いを通して、その土地の当事者になっていく。行き交う場所が増えれば、それだけ人生は豊かになると、宮部さん(右)。
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取材・文=小山内 隆

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