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食料品の即日配達サービスを提供するインスタカートは3月3日、2億6500万ドルの資金調達ラウンドが完了し、評価額が390億ドルに達したと発表した。

新たな評価額により、34歳の創業者アプアバ・メフタの純資産にはさらに10億ドルが加わり、Forbesの推定で35億ドルとなった。メフタは2020年6月、2億2500万ドルを調達してビリオネア(10億ドル以上の資産保有者)の仲間入りを果たした。さらに4カ月後、2億ドルのシリーズHラウンドを完了し、インスタカートの評価額を177億ドルに倍増させた。2020年はじめ、同社の評価額は79億ドルだった。

パンデミックのなか、配送・集荷サービスへの消費者需要はうなぎのぼりで、インスタカートのビジネスは活況を呈している。オンライン食料品購入は、2019年末と比べて3倍以上の規模に膨れ上がり、1兆ドル規模にのぼる食料品市場のうち10%を占めるまでになった。

インスタカートでは、急成長に伴い、いくつかの問題も生じている。新型コロナウイルス感染予防措置や危険手当をめぐって、請負労働者との確執が明るみに出たほか、パンデミックの初期に、過大な需要によって業務上の混乱が生じたといった問題だ。

メフタは2021年1月、Forbesに対して、「5年分の成長をわずか5週間で経験した」と語った。「その後も成長は続いている。わが社は、前年比300%以上の成長を遂げた」。メフタは、もともとAmazonのサプライチェーン・エンジニアだった人物で、2012年にインスタカートを創業。2015年には、Forbesが選んだ「30 Under 30(世界を変える30歳未満の30人)」のひとりに選ばれている。

今回の新たな資金調達は、アンドリーセン・ホロウィッツ、セコイア・キャピタル、D1キャピタルパートナーズ、フィデリティ・マネジメント&リサーチ・カンパニー(Fidelity Management & Research Company)、T・ロウ・プライス・アソシエイツなどの有名投資家を中心におこなわれた。調達された資金は、広告を通じて顧客と小売店を結びつける取り組みに充てられるほか、2021年には50%の人員増加も予定されている。

インスタカートは、米国とカナダに45000店舗を構える600社以上の小売店と提携している。同社は2020年以降、セフォラ、セブンイレブンなどとの新規提携、ウォルマートなどとの提携拡大により、店舗数を25%増加させた。

インスタカートのIPO(新規株式公開)は大きな期待を集めており、実現した際には企業価値がさらに高まる可能性がある。フードデリバリー企業で食料品にも進出しているドアダッシュは、2020年12月に102ドルで上場し、取引初日に80%の株価上昇を記録した。ドアダッシュの3月1日終値は169ドルで、時価総額は540億ドルとなっている。

メフタは、ForbesのインタビューでインスタカートのIPOについて尋ねられた際に、「私は20年先を見越している」と答えた。「食料品は小売カテゴリーの規模としては最大だが、まだデジタル化されていない。我々は、将来の展望にわくわくしている」

翻訳=的場知之/ガリレオ

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