2. 消費のあり方の変革:チリ発スタートアップの再利用可能な包装
現在私たちは、地球が自然に再生することのできる資源の1.75倍を消費しており、このままでは2050年までに2倍以上の資源を消費するようになると推測されています。バリューチェーンの一歩先へ目を向けた「消費のあり方の変革」クラスターでは、この深刻な現実に取り組んでいます。イノベーターたちは、製品のサービス化、製品使用期間の延長(修理、中古市場など)、シェアリングプラットフォームを含む、循環型消費の新しいモデルの構想に取り組んでいます。
チリのスタートアップ企業、アルグラモ社のオムニチャネル・クロスブランドプラットフォーム技術により、ブランドや小売店は、スマートで再利用可能な包装を使用して、可能な限り低価格で消費者に商品を販売できるようになります。第四次産業革命のテクノロジーを取り入れたアルグラモの包装流通システムは、同社の特許取得済みの「パッケージング・アズ・ア・ウォレット」技術やIoT(Internet of Things)接続自動販売機などのイノベーションを実現しています。
プラスチック包装の20%を再利用モデルに変換することでもたらされるビジネスチャンスは100億ドルと推定されており、包装の再考は環境面での重要性に加えて、ビジネスとしても優先して取り組むべき重要課題です。
3. 価値の回復:貴金属回収プロセスを見直すニュージーランド企業
「価値の回復」クラスターは、現在の「資源を採し、作り、捨てる」という、もはや目的に合っていないリニア型システムをループ型にしていくソリューションを重視しています。このグループは、製品の再利用と、廃棄物や使用済み製品からのその潜在価値の回復を可能にする新しい方法の確立に成功したイノベーターによって構成されています。
ニュージーランドを拠点とする革新的な都市鉱山企業、ミント・イノベーション社は、電子廃棄物の流れから有価金属を回収するための低コストでスケーラブルなプロセスを開発しています。国連の推定によれば、電子廃棄物として処分されている貴金属は年間100億ドルを超えています。ミント・イノベーション社のクリーンなプロセスは、湿式製錬法と生物工学を活用してこの廃棄物の流れを最小限に抑え、貴金属における完全なサーキュラー・エコノミーを実現します。
最近2000万ドルの資金調達をした同社は、英国とオーストラリアのバイオリファイナリー工場への委託を計画中で、実現すれば毎年最大3500トンの電子廃棄物を処理できるようになると見込まれています。
いまこそ、変革の時
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(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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