テクノロジー

2021.03.16 08:30

「サーキュラー・エコノミー」市場に参入 優れたイノベーター3例

サーキュラー・エコノミー達成に向け挑戦するイノベーター(Photo by Unsplash)


世界経済フォーラムが、産業廃棄物からいかに経済的価値を生み出すかという根本部分の変革を進める企業、政府、個人を毎年表彰する「サーキュラー・アワード・プログラム」は、大きな成功を収めたのち、さらに行動志向のプログラム「サーキュラー・アクセラレーター」へと発展。アクセンチュアがアングロ・アメリカン、エコラボ、シュナイダーエレクトリックとのパートナーシップのもと、SDGs達成のためのイノベーションを目的とした、世界経済フォーラムのクラウド型デジタル・エンゲージメント・プラットフォーム「アップリンク(UpLink)」上で開催しているオンラインプログラムです。
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このプログラムは、サーキュラー・イノベーションを重視する主要なグローバル組織と、循環型ソリューションの拡張を目指すディスラプター(破壊的イノベーター)とを結びつけるものです。アクセラレーターのミッションは、メンターシップ、共同イノベーション、戦略的アライアンスといった相互に有益なプログラムを通じて、グローバルな循環型社会への移行を促進することです。

また、初期段階から成長段階にあるイノベーターや既存のパートナーに、価値とインパクトを等しくもたらすと同時に、アクションに焦点を置いたパートナーシップを通じて、サーキュラー・エコシステムを強化する役割も担っています。

サーキュラー・アクセラレーター・プログラムへの参加には、初回の募集で、200社を超える革新的で、独創性、多様性に富んだ企業からの応募がに寄せられました。競争率の高い多段階式選考プロセスを経て、17社の優れたスタートアップ企業が選出されました。選ばれたスタートアップ企業は、サーキュラー・トランスフォーメーションに必要な3つのソリューションタイプ、「製品と生産の革新」「消費のあり方の変革」「価値の回復」のいずれかに分類され、それぞれの力が合わさることで、バリューチェーン全体を網羅し、特定の「循環」課題に対応していきます。それぞれの事例を紹介します。
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1. 製品と生産の革新:食品廃棄の削減に取り組むマレーシアの企業

「製品と生産の革新」クラスターに入るのは、新しい設計アプローチや原料、成分におけるイノベーションを活用し、先駆的な製品、包装、製造ソリューションの設計と提供に取り組むイノベーターです。

その一社、マレーシアのスティックスフレッシュ社は、生鮮食品の賞味期限を最大14日間延長する特許技術を持つイノベーターです。スティックスフレッシュ社の100%植物ベースの50セントコインサイズのステッカーは、新鮮な果物が自衛のために作り出す化合物を再構築し、細菌や真菌の活動によって引き起こされる腐敗反応を遅らせる自然のバリアを作り出します。

世界で生産される食品の3分の1が廃棄されていると推定される中、気候危機と戦うための最大のソリューションは、食品廃棄物の削減です。
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文=Peter Lacy, Chief Responsibility Officer & Global Sustainability Services Lead, Accenture;Wesley Spindler, Senior Manager & Circulars Program Director, Accenture Strategy;John Dutton, Head, Uplink; Member of the Executive Committee, World Econom

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