「サーキュラー・エコノミー」市場に参入 優れたイノベーター3例

サーキュラー・エコノミー達成に向け挑戦するイノベーター(Photo by Unsplash)

サーキュラー・エコノミーへの移行に向けて、いまこそ行動を起こす時です。世界経済フォーラムが参加する、SDGs達成のためのイノベーションを目的としたプログラムで表彰された、3つのイノベーションについてご紹介します。


・サーキュラー・エコノミーは、地球を救う手段であると同時に巨大な市場機会でもあります。
・サーキュラー・イノベーションへの対応に苦慮している多国籍企業と、規模を拡大するためのリソースが不足している起業家の間にはミスマッチがあります。
・「サーキュラー・アクセラレーター」は、サーキュラー・イノベーションを重視する主要なグローバル組織と、循環型ソリューションの拡張を目指すディスラプター(破壊的イノベーター)を結びつけ、連携してゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)の取り組みを進めます。

2021年を迎え、企業は、地経学的緊張の高まりから差し迫った気候危機まで、あらゆる課題に直面しています。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成年まで10年を切り、「行動と遂行の10年」と呼ばれる今こそ、リーダーたちはインパクトをもたらす行動を起こさなければなりません。

企業や起業家が直面する課題


ホリスティックなサーキュラー・エコノミーモデルへの移行は、環境破壊を食い止め、生物多様性と自然に重点を置く上でも、そして、将来の競争力を高めていく上でも非常に重要です。サーキュラー・エコノミーの概念では、役目を終えた製品は循環され、生産システムに還元。廃棄物が出ないようになります。その結果、原料はできるだけ長く、生産的に使用されるようになり、新たな生産は希少資源の消費を伴うものではなくなります。

サーキュラー・エコノミーは、2030年までに4.5兆ドルを超える新たな市場機会を生み出すと考えられています。この移行を加速化できるかどうかは、革新的な新しいビジネスモデルと、ディスラプティブ(破壊的)な技術革新の導入にかかっています。

アクセンチュアの分析でM&A投資の約30%を占めるという新しいビジネスモデルに重点を置くことに加え、デジタル、物理学、生物学に関する新しいテクノロジーを採用することで、新たな機会を促進し、組織のトリプルボトムラインを達成することができるでしょう。

真のサーキュラー・エコノミーへの道を切り開くには、エコシステム全体での連携が不可欠です。今日、サプライチェーンやプロセスがますます複雑化している多国籍企業は、絶えず進化するサーキュラー・イノベーションの動向を把握するのに苦慮したり、循環型ビジネスへの移行に向けた新しい運用モデルの導入に必要な機能が不足していたりする場合があります。

対照的に、起業家はこれらの問題を解決するためのディスラプティブ(破壊的)なソリューションを持っていても、それを、スピード感を持って再現し、拡張させていくための資本、リソース、ネットワークを欠いている場合があります。

3つのタイプとイノベーター


このエコシステム全体のミスマッチは、どのように解決できるでしょうか?

多国籍なアクターとディスラプティブ(破壊的)なプレイヤーをうまく結びつけることができれば、バリューチェーン全体のステークホルダーがイノベーションを十分に活用し、インパクトをもたらすためにターゲットを絞ったビジネスモデルに重点を置いて、新たな地球規模課題に効果的に対応できるようになります。
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文=Peter Lacy, Chief Responsibility Officer & Global Sustainability Services Lead, Accenture;Wesley Spindler, Senior Manager & Circulars Program Director, Accenture Strategy;John Dutton, Head, Uplink; Member of the Executive Committee, World Econom

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