Forbes Staff

ジョー・バイデン(Photo by Samuel Corum/Getty Images)

米国では新型コロナウイルスの感染者数と入院患者数が減少し、バイデン政権による1.9兆ドル(約200兆円)規模の財政刺激策の実現が近づいている。これを受けて、モルガン・スタンレーの株式ストラテジストのマイケル・ウィルソンは「景気後退は事実上終わった」と宣言したが、リスクはまだ残っている。

米国のコロナ対策が進展し、バイデン大統領の「アメリカ救済計画」の可決が間近に迫り、「目を見張るような」第4四半期の決算シーズンが近づく中で、ウィルソンは「今年の経済が爆発的な回復を遂げることは想像に難くない」と書いている。

ゴールドマン・サックスのアナリストも、経済の再開と個人消費の急激なリバウンドが、大規模な雇用ブームを引き起こし、年末までに失業率が4.1%まで低下すると予測している。

連邦政府の手厚い失業給付金(直近の法案には週300ドルの給付が盛り込まれている)が労働市場の回復の妨げになる可能性もあるが、アナリストはその影響が限定的だと見ている。ウィルソンはしかし、株式市場の中でも特にハイテク銘柄の株の多いナスダックでは、ポジティブなニュースにも関わらず、ここ数週間苦戦が続いていることを指摘した。

ウィルソンは、1月に始まった調整局面が終わるまでには「まだ時間がかかる」と注意を促している。これは、投資家たちが国債利回りの上昇やインフレリスク、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めを警戒しているためだ。

ウィルソンは、市場が停滞している原因の一部は、利回りの上昇が株価を押し下げ、投資家たちが成長株を離れ、バリュー株や循環型株へと移行していることにあると指摘した。

ゴールドマン・サックスは米国のGDP成長率が、2020年のマイナス3.5%から回復し、2021年は6.9%のプラスになると予測している。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミストのマーク・ザンディは8日のリサーチノートで「実質GDPは7%近く上昇し、今後1年間の成長は大騒ぎになるだろう」と書いた。

ザンディは、「パンデミックの収束」が成長を加速させ、2023年初頭までに失業率が4%を下回る「完全な経済回復」が期待できると述べているが、世界でのワクチン接種のペースが上がれば、回復は早まるかもしれないし、ワクチンの効果が予想よりも低かった場合は回復が遅れるかもしれない。

一部の専門家は、パンデミックの初期段階で底を打って以来、大幅に反発した国債利回りの上昇が、数兆ドル規模の景気刺激策の実現が近づく中で、危険なインフレの到来が迫っていることの証拠だと指摘している。

アリアンツの首席経済アドバイザーのモハメド・エルエリアンは先月、CNBCの取材に対してこう述べていた。「経済学者たちは今、以前から大規模な財政支援を支持してきた人たちでさえも、注意が必要だと述べている。これは大規模すぎる財政出動になるかもしれない」

編集=上田裕資

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