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ウェブブラウザーの「ネットスケープ」がHTTPセッション間に情報を保存する手段として「クッキー」を考案した際には、これがウェブページを訪れるたびに苦痛の種となることは想定していなかったことだろう。ただ、トンネルの先には光があるかもしれない。クッキーがついに過去のものとなるかもしれないのだ。

正直言って、クッキーを巡る状況は笑えないものだ。ウェブページを開くたびに、たくさんのボタンや、情報提供先の第三者企業リストや規約がある長文の同意フォームをつきつけられるのは、全くもってばかげている。同意内容を読んでいる人はほぼいないため、これはあらゆる形で悪用されてきた。

プライバシーの保護は基本的な権利だと主張してきたアップルと同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)の取り組みが今、ようやく報われようとしている。アップル以上にこの問題でリーダーシップを発揮してきた会社はないだろう。同社はそれだけでなく、自社のプライバシー保護策を他社にもまねてほしいと公言している。

クッキー管理機能を導入するブラウザーが一つまた一つと増える中、ついにグーグルがこの動きに加わり、同社のブラウザー「クローム」の次期バージョンではサードパーティークッキーを排除すると発表。同社はさらに、デジタル広告環境でのユーザーのプライバシー保護を改善する新システムの開発も発表した。

グーグルは今後、広告管理の目的でユーザーの閲覧履歴を使用しないと宣言。また、「プライバシー第一のウェブ」構築に向けて、今後廃止する追跡ツールに代わるツールの開発も行わないと約束した。

これは、フェイスブックにとっては気まずい状況だ。マーク・ザッカーバーグ率いる同社は、ユーザーのプライバシーをほぼ無限に搾取する自社の慣行やハイパーターゲティング広告を正当化する姿勢を崩していない。それどころか、個々人に合わせカスタマイズされた広告はユーザー自身が望んでいるものだという論理がまかり通るとまで考えている。アップルとの対決姿勢を強めるフェイスブックは、アップルを中小企業によるユーザーへのアクセスを阻止しようとする悪者に仕立て上げ、自分たちはそうした試みから事業者を守っているのだと主張している。

編集=遠藤宗生

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