断続的断食は「お腹の脂肪」を落ちにくくする

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断続的断食は、シリコンバレーの住人から、TikTokのインフルエンサーにいたるまで、ありとあらゆる人に「最高の」減量方法だとほめそやされてきた。体重を減らすための効率的な方法であることを示す研究もある。だが、それは適切な減量方法なのだろうか?

マウスを対象にした最新研究では、断続的断食には数々の利点があるものの、腹部のぜい肉を減らす効果はないことが明らかになった。

それどころか、この最新研究によれば、実際には腹部の脂肪を減らしにくくなる可能性もあるという。これは朗報とは言えない。というのも、腹部の脂肪は、2型糖尿病や心臓疾患などの病気と密接に関連しているからだ。

米科学誌「セル・リポーツ」で発表されたこの研究では、断続的断食中のマウスにおいて、さまざまなタイプの脂肪組織に何が起きるかを調べた。

その結果、1日おきにしか餌を食べていないマウスでは、腹部内臓脂肪(胃などの臓器を取り囲む脂肪組織)と皮下脂肪(皮膚のすぐ下にあり、代謝の健康向上に関係している)の挙動が変化することがわかった。

「たいていの人は、脂肪組織はみな同じだと思っているだろうが、実際には、どこにあるかが大きな違いを生む」。この研究論文のシニアオーサー(上席著者)で、シドニー大学のチャールズ・パーキンスセンターと生命環境科学部に所属するマーク・ラランス(Mark Larance)はそう述べる。

「我々のデータでは、断続的断食中に、内臓脂肪と皮下脂肪がともに劇的に変化することが示されている」

通常、断食期間中には、脂肪組織が脂肪酸分子を放出し、身体にエネルギーを提供するようになる。

だが、ラランスらが脂肪組織と皮下組織に起きることを調べたところ、脂肪が「貯蔵モード」になり、脂肪酸を放出しにくくなることがわかった。

さらに研究チームが注目したのは、時間が経つにつれてマウスの腹部脂肪が適応し、エネルギーとして脂肪を蓄える能力が高まり、実質的に体重が減りにくくなったことだ。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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