Deliverooの元社員らが設立したDijaは、昨年末にブロッサム・キャピタルやインデックス・ベンチャーズなどから2000万ドル(約21億7000万円)のシード資金を調達していた。同社は現在、ロンドンのサウスケンジントンやフラム、ハックニーとさらに2つの地域でのサービス開始に向けた準備を進めている。
Dijaでは約50人のライダーたちが電動バイクやモペットに乗り、戦略的に配置された店舗ネットワークから配送を行おうとしている。
「これは困難なタスクだが、フードデリバリー市場では配達のスピードが重要になりつつある」とDijaの共同創業者でCEOのアルベルト・メノラスシナは話す。
ロンドンのサウスケンジントン地域では、約10万人の人々がフードデリバリーを利用しており、その多くが毎日、食事を注文するという。Dijaでは、ライダーたちが食品スーパーなどで買い物を行うのではなく、自社のフルフィルメントセンターにドリンクやパン、スナック類、冷凍食品などの食料雑貨をストックしておき、そこからダイレクトに顧客にアイテムを届けることになる。
「私たちのピック&パックは、従来の小売店や食料品店の中で起こるものではない。当社は棚とスペースの割り当てに独自のプロパティ技術を使用することで、約1分で注文受付と発送作業を完了させる」とメノラスシナは述べている。
これは野心的な計画ではあるが、様々な好みを持つ消費者の迅速な配送のニーズに応える上で、論理的なステップだという。
Dijaは10分間の配達で顧客に1.99ポンド(約300円)を請求する。同社は、Deliverooのように配達員にオンデマンドで仕事を頼むのではなく、約50人のライダーを社員として雇い、常に顧客の需要に応えられる体制を整えている。
「我々は、ライダーたちに、病欠や有給休暇などのベネフィットを与えている」とメノラスシナは述べた。
デリバリー業界は活況を呈しており、米国ではインスタカートが先日、新たに2億6500万ドルを調達し、企業価値は390億ドルに到達した。欧州でもチェコの生鮮食品のデリバリー企業Rohlik Groupが、Partechの主導で1億9000万ユーロを調達した。