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デジタル・トレンド・ハンズオン


プロダクトデザインを担当したドコモの吉田氏は、軽さだけでなく「未来感を強調しすぎないデザイン」にも気を配ったと振り返る。

スマートウォッチなどリストバンド型のウェアラブルデバイスとは比べものにならないほど、メガネ型ウェアラブルは身に着けているユーザーの出で立ちに大きなインパクトを与えてしまう。自分がまわりに「どう見られているか」をなるべく気にせず楽しめないと、コンテンツ視聴に没入できない。



未来感が尖り過ぎたデザインだと周囲に注目されてしまう。だからといって「ほどよい未来感」がないと、普通の眼鏡ではない“スマートグラス”を装着していることが周りに伝わらず、“変わったカタチのメガネを着けている人”に見られてしまう。「本体の軽量化、小型化を進めながら未来感のバランスを見極めることに腐心した」と吉田氏が語っている。

筆者はふつうのサングラスに見えなくもないし、ほどよくサイバーパンクな本機のデザインに好感が持てた。あとは本体を軽量化しながら電源供給のためには欠かせないケーブルを、将来の技術革新によりとっぱらいたいところだ。

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視度調整機能は搭載されていないため、ディスプレイの手前に簡易な補正用レンズを装着する仕様。鼻当てパーツも交換できる

商品化は未定。5Gなど追い風をつかまえたい


もしもドコモの軽量ディスプレイグラスが商品化されたら筆者もぜひ買ってみたいと思う。石丸氏は「今後試作機に寄せられる反響からニーズを見極めて検討を進めたい」と慎重な構えを崩さない。ただ一方では、今後のメガネ型ウェアラブルデバイスの普及を後押ししそうな明るい材料も見えていると津田氏が話している。

ひとつは各通信会社の大容量データプランの普及拡大に伴い、モバイル向け動画・音楽配信やゲームなどのストリーミング型サービスを以前よりも抵抗なく利用するユーザーが増えていることだ。津田氏は今後5G通信サービスの普及ともに、その勢いに加速が付くのではないかと期待を寄せる。

さらにメガネ型ウェアラブルデバイスの装着性が向上して、スマホやタブレットと簡単に接続して使えるようになれば普及への突破口が見えてくる。光学部品の成熟度が上がり価格も熟れてきたことから、これからはメガネ型ウェアラブルデバイスの価格に値頃感も打ち出せるのではないかとも津田氏は話す。

ドコモは2020年の夏からアメリカのMagic Leap社が開発したヘッドマウントスタイルのウェアラブルコンピューター「Magic Leap 1」の販売をコンテンツやサービスを開発する企業、個人のクリエイター向けに始めている。一般コンシューマー向けのデバイスとして自社で試作を進める軽量ディスプレイグラスが両輪となり、今後ドコモによるスマートグラスの開発戦略が向かう道にも注目したい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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文=山本 敦

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