米国で「マスクを燃やせ集会」、子供たちも個人の自由を主張

Photo by Nathan Howard/Getty Images

アイダホ州の州都ボイシー(Boise)の議会議事堂前に3月6日、群衆が集まり「マスクを燃やせ」集会を行った。彼らはマスクの着用の義務化が個人の自由の侵害だと主張した。

現場を取材したオレゴン公共放送のセルジオ・オルモス記者によると、群衆の規模は約150人だったという。

オルモスが投稿した動画には、幼い子供たちがマスクをドラム缶の中の火に投げ入れる様子が映っており、一人の子供は「破壊しろ、彼らは死だ」と叫んでいる。別の動画では、武装した抗議者がジョー・バイデン大統領らの写真を火の中に投げ入れていた。

先週初め、CDC(米国疾病対策予防センター)は、マスクの着用が米国全土での新型コロナウイルスの感染者や死者の減少に、貢献しているとするレポートを発表していた。



アイダホ州知事のブラッド・リトル(共和党)は、州全体のマスク着用義務化を宣言していないが、ボイシーを含む州内のいくつかの郡や都市は、着用を義務化している。共和党の州下院議員のヘザー・スコットとドロシー・ムーンは、マスクを燃やそう集会を「全面的に支持する」と宣言する動画を投稿した。

彼らは、マスクを所有していない住民たちも、着用に反対する宣言文を持って集会に参加し、それらを燃やすよう呼びかけた。「これは面白いことになるぞ」とスコットは話し、ムーンは「素晴らしいことだ。これまでのところ、約50個のドラム缶が設置されている」と語った。

6日の抗議集会を告知するウェブサイトには、28の「燃焼サイト」の場所がリストアップされていた。主催者の一人は、グローバリストたちがコロナ危機を利用して、人々を操ろうとしていると主張している。

ムーン議員の夫のダー・ムーンは、オルモス記者の取材に「私たちが今日、ここに立っているのは政府を再統治し、共和党による政治を取り戻すためだ」と述べた。

CDCのロシェル・ワレンスキー所長は5日のホワイトハウスのブリーフィングで、「マスクの着用義務を撤廃して、日常に戻るのは魅力的だが、私たちはまだそれに踏み切る段階ではない」と述べた。「マスクの着用をやめれば、感染者が増加するのは分かりきっている」と彼は話した。

アイダホ州ではこれまで約17万人の感染者が確認されており、ニューヨーク・タイムズ(NYT)のデータベースによると死者は約1900人に達している。さらに、ここ1週間の1日あたりの新規感染者数は、2週間前の平均から7%増加している。

編集=上田裕資

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