生産性と幸福度を短期間で上げる「タイムバッチング」とは?

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大半の人は、1つの種類の仕事やプロジェクトに集中するための時間を30分以上捻出することを難しいと感じるかもしれない。

自分自身の集中力不足と闘うにせよ他者に邪魔されるにせよ、何かに没頭するための時間を数十分確保することはほぼ不可能なことのように感じられる可能性がある。それでも「タイムバッチング」と呼ばれる時間管理のコツを使えば、精神的な疲労を大きく緩和し生産性を大幅に上げることができる。

集中するための継続的な時間を確保すれば、生産性が上がるだけでなく心の健康も顕著に改善する。私のコンサルティング企業リーダーシップIQがインターネット上で数万人を対象に行ったアンケート調査「How Do Your Time Management Skills Stack Up?(あなたの時間管理スキルはどれほど?)」によると、仕事が頻繁に中断することがあると報告している人は約71%だった。

さらに驚くことに、こうした邪魔を遮ることができる人は1日の終わりに「今日は本当にうまく行った1日だった」と感じる確率が52%ほど高かった。

なくすべきものは作業の中断だけではない。私たちは、ある作業から他の作業に移るときの負担も減らす必要がある。

ミシガン大学の研究者らは、実験心理学ジャーナル:人間の認識とパフォーマンス(Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance)に2001年に掲載された研究で、人々が作業を切り替えるときに非常に多くの時間が浪費されていたことを発見した。作業が複雑であればあるほど、より多くの時間が失われていた。

作業を切り替えるときには、目標の転換とルールの始動の2つのプロセスが頭の中で起きる。目標の転換は「今はあの作業ではなくこの新しい作業をしたい」と思うことだ。ルールの始動は、元々の作業に対する頭の中のルールを新たな作業のルールに切り替えることを意味する。

こうした実行制御のプロセスは迅速に起きるように思われ、それは間違いではない。こうしたことを1日中やっていれば、ひどく疲れてしまいかねない。研究者らによると、こうした頭の切り替えにより潜在的な効率性の20~40%が失われる。

これに効果があるのがタイムバッチングだ。これはつまり、精神的・知的側面から見たときに似ている作業をまとめ、20分でもよいのでその作業だけに集中する時間を確保することを指す。
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翻訳・編集=出田静

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