パーラーは複数の死者が出た1月6日の議会襲撃事件後、暴力的なコンテンツへの対策が不十分だとしてアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)からホスティングサービスの提供を停止された。その後、停止の差し止めを求めて連邦地裁に提訴したが、棄却されていた。
パーラー側は今月2日、ワシントン州で新たな訴訟を起こし、反トラスト法訴訟は取り下げた。訴状では、2年にわたるアマゾンとの取引でコンテンツ管理に「大きな問題があった形跡はない」と主張。ドナルド・トランプ前米大統領がパーラーに移る可能性が出てきて、パーラーとツイッターやフェイスブックなどとの激しい競争が起きそうになった時点で、アマゾンはサービス停止を決めたと反発した。
「パーラーがドナルド・トランプを含む保守派の声に新たなプラットフォームを提供できるようになることや、ツイッターのようなほかのマイクロブログプラットフォームと対抗できるようになることを、(アマゾンは)望まなかった」とパーラー側は訴状に記している。
そのうえで、アマゾンは「不誠実にも」パーラーのホスティングを止めて契約に違反し、パーラーの業務に損害を与えるとともに、停止を正当化する誤った主張を故意にメディアに流してパーラーの評判を傷つけた、と主張した。
AWSの広報担当者はフォーブスの取材に対し、パーラー側の主張には「法的根拠がない」と回答。連邦裁判所での訴訟で示された証拠は「パーラー上には、他者に対する暴力を助長・扇動するコンテンツがかなりあったことを示しており、これは当社のサービス利用規約に違反する」と指摘した。
コンテンツの規制が緩いパーラーは、議会襲撃事件後にユーザーが流入していたが、グーグルとアップルはストアからアプリを排除し、続いてアマゾンもサービス提供を停止した。パーラーは2月に、「強固、持続可能で、独立した技術」によってサービスを再開している。かねてトランプが使い始めるのではとうわさされてきたが、これまで本人が使ったことは一度もない。
バズフィードの報道によると、トランプは自身の主要ソーシャルプラットフォームとして使えるようにするのと引き換えに、パーラーの株式の40%を取得する協議を行なっていたが、議会襲撃事件によって立ち消えになったという。