10年ぶりの栄光。トヨタ・ヤリスが受賞した欧州の最優秀車賞の裏付けは?


「全員がそうだとは言えないものの、例えば、イギリス人の選考委員は、イギリス産のランドローバー・ディフェンダーに一番高い点数を上げましたしね」と、「愛国者的」な典型をあげた。

あるイギリス人の別の同僚はこう語る。「正直なところ、どれだけ日本車の完成度が高くなり、どれだけ走りが良くても、デザインは欧州車ほど格好良くないと多くの選考委員が感じているようなので、欧州COTYはなかなかゲットできませんでしたね。でも、今回のヤリスは違います。欧州人の好みに合い、格好良いし、走りも良いし、環境性能も高い」とコメント。

YARISの正面からの写真

しかし、ドイツ人などは少し違う反応を示しているみたいだ。「僕は、はっきり言ってヤリスの勝利に驚きました」とドイツ人の同僚がいう。自動車王国のプライドなのだろうか。「驚きました」の真意はというと、「ヤリスは、フィアット、VWに勝てないだろうと思っていた」からだ。「だって、あのEVのフィアット500やVWのID.3は格好良いし、次世代の電気自動車として非常に良くできていますから」と。

また、「ヤリスは、欧州のベスト争奪戦で次世代EVの500、そしてID.3には絶対に勝てないだろうと思っていたので、ちょっとがっかりしました」というのは、イタリア人の同僚だ。

BBC英国放送などでもよく解説する有力なジャーナリストのマイク・ラザーフォードはこう言った。「でも、今回のヤリスも有力候補の一台とみました。やはり、日本車や韓国車がもっと高く評価されるべき時代になってきたでしょう。ヤリスは欧州市場にぴったりのサイズなだけでなく、そのハイブリッド仕様も優れているし、トヨタにしてはルックスが格好良いと思いました」とコメント。

でも、確かにその通りだと思う。日本車は技術的にも、走り的にも優れている時でも、ルックスはそれほど高く評価されないクルマが多かった。しかし、今回のヤリスは久しぶりに美しいと評価されて、トロフィが獲得できた。品質への信頼性、走りの良さはすでに評価済みだ。今回のヤリスの栄えある欧州COTY受賞を喜ぶとともに、日本のカーメーカーに考えて欲しいのは、中身の良さをアピールするには、外観も重要だということで、デザイン部にもう少し予算を回してください!

文=ピーター・ライオン

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