名作映画がCMとして復活! E.T.にホーム・アローンの28年後

本物のデロリアンが発売?(Getty Images)

本物のデロリアンが発売?(Getty Images)

今年もスーパーボウルが開催された。アメリカのプロアメリカンフットボールリーグNFLのチャンピオンチームを決める優勝決定戦のことで、全米が熱狂する一大イベントだ。

アメリカを代表する大企業がスーパーボウルのために制作する特別CMも見どころで、試合中に流れたCMは毎年メディアが取り上げ話題となる。ちなみにスーパーボウルの視聴率は毎年40%を超え、試合間のCM出稿料は30秒間で約6億円と言われている。

今年なんといっても話題となったのは、キャデラックの90秒間のCMだろう。1990年に公開され、カルト的人気を誇る映画「シザーハンズ」のその後が描かれた。

もっと正確に言うと、シザーハンズの主人公であるエドワードの息子の物語が描かれた。エドワードのハサミの手を受け継いだ息子は、キャッチしたボールを破って潰してしまったり、手に磁石がくっついてしまったりと、手がハサミゆえに日常生活に困難が多い。そんな息子にプレゼントされるのが、ハンズフリーの部分自動運転が可能なキャデラックだ。

息子を演じたのは「君の名前で僕を呼んで」や「ストーリーオブマイライフ わたしの若草物語」などに出演の、いまをときめく若手俳優ティモシー・シャラメだ。映画でヒロインを演じたウィノナ・ライダーが、今度は母親としてキム役を再演したことも胸熱なCMだった。



このように、時を超えて名作映画をひとときだけ復活させるコマーシャルはほかにもある。

E.T.が地球に帰ってきた!


2019年には、E.T.とエリオット少年が37年ぶりの「再会」を果たした。

インターネット事業やストリーミングサービスを行うコムキャストの子会社、X finityが「A Holiday Reunion」と題してショートムービーを制作。再び地球のエリオットのもとを訪れたE.T.が、ストリーミングサービスで映画を見たり、VRゲームを楽しみ、ホリデーのひとときを過ごす様子が描かれている。

オリジナル映画でエリオット少年を演じたヘンリー・トーマスが、37年の時を経て2児の父となったエリオットを再び演じた。

ショートムービーの最後にはE.T.は宇宙船に乗って宇宙に帰ってしまう。E.T.もいまでは宇宙に家族をもっているのだ。37年前と同じく「I’ll be right here……」の言葉を残して。

この他にも映画史に残るアイコニックなシーンが、今度はエリオットの子どもたちに引き継がれて描かれており、心温まる作品だ。



38歳でホーム・アローン アゲイン!


映画の「その後」を描くほかにも、オリジナル版とそっくり同じシーンを本人が再現したCMもある。ホリデームービーの定番「ホーム・アローン」のケビンが、28年の時を経て帰ってきた。ケビンを演じるのはもちろんマコーレ・カルキン。作中の名シーンを完全に再現してみせた。Googleアシスタントがケビンの「悪だくみ」をアシストする点以外は。

2018年に公開された同CMは、Googleアシスタントの広告として制作された。ケビンが「Hey Google」と呼びかけるとGoogleアシスタントが予定を教えたり、買い物リストに商品を追加したりする。

シリーズ一作目公開の1990年当時10歳だったケビンは、CMが公開された2018年にはもう38歳。ひげを剃ったり、ベッドの上で飛び跳ねると腰を痛めてしまったりと、コミカルな仕上がりだ。

10歳のオリジナル版ケビンと38歳のケビンを比較できるメイキング動画も必見だ。


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文=河村優

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