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遊:仲間を深める、つくれるベースが売れる


コロナ後は、もちろんリアルに人間関係を結べる場所への回帰が進むだろう。しかし、一度経験した、オンラインで人とつながれる利便性、楽しさが衰退するわけではない。

特にコロナ禍がきっかけとなり、20代の若者を中心に、オンラインで仲間と一緒にゲームやアーティストのライブを楽しむ動きが一気に加速した。さらに、同じドラマを同時視聴しながらオンライン飲み会をするウォッチパーティーいう現象も話題になった。

ここで面白いのは、彼らは単純にビデオ通話だけで友人たちと向かい合っているわけではない、ということだ。さすがのオンライン慣れした若者でも、長時間オンライン空間で仲間と向き合っていれば話題は尽きる。気まずい。そこであえて、オンラインであってもゲームや、コンテンツを楽しむことで直接向かい合うことを回避し、絆を深めているのだ。

これから教育の現場においても、オンライン化はどんどんと進むだろう。この環境で友情をどう育むのか? どうやって友達を見つけるのか? ということは大きな課題になる。

そこで求められるのが、オンラインで仲間と一緒に共通の体験をすることで友情を深める「場」であろう。

もはや、コロナ前のようにリアルな狭い教室空間の中から「友人」を探す必要はない。オンライン空間の中で同じ趣味、嗜好を持つ人を見つけ、コンテンツを共に楽しむ体験を通して友情を深めることができるのだ。このオンライン上に生まれる「友情を深められるスペース」こそが、遊びにおける「信じられる価値」を持つ存在として注目されるだろう。

働/学:スキルを高める「オンライン弟子入り」が売れる


では、働く、学ぶというカテゴリではどんなものが売れるのだろうか? リモートワークが定着する時代、ますますリアルな会社との結びつきは希薄になる。会社に所属していてもいわゆる「ジョブ型雇用」、プロジェクトベースで働く人はますます増え、独立する人も増えていく。そうなると企業人であっても、フリーランス的な「個の力」が問われる、ということは多くの人が言っている通りだ。

ただ、「個の力が問われる」といったときに私が呈したい疑問は、「その、『個の力』は一体誰が育ててくれるのだろう?」だ。

誰もが最初から実力のある「個」であるわけがない。その力を誰かが育てなければ求められる個にはなれないし、個に仕事を紹介してくれるつながりがなければ埋もれたままだ。さらにこの、プロとして役立つ「個」の力は必ずしも大学や学校では育ててはくれない。英語、プログラミングなどの「スキル」は身につくかもしれないが、現場で実践できる能力がなければ、個としての仕事を任せられることもない。

文=山本泰士 編集=石井節子

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