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2021.03.07 18:00

エンタメとリアルに見る、韓国「財閥」の醜美な世界

韓国の人気ドラマで財閥がネガティブに描かれるのが定番だ。果たして実際はどうなのだろうか?(Shutterstock)


韓国ドラマでも目立つ財閥の不正や反則。LGもほどほどに手を抜いたり根回しをしていれば、さらに力をつけることができたのではないかとも世間からは言われている。しかしこれについて、3代目会長ク・ボンムは「不正をしてまで1位になろうと全く思わない。それなら2位の方がマシだ」と答えている。
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「ドロドロのドラマ」が詰まった財閥ファミリー


サムスン、LG、ヒュンダイ、ロッテ、数々の財閥が韓国社会に存在する。では、韓国で最も「有名な」財閥とは。それは、世代を超えて争いとスキャンダルが絶えない、韓進(ハンジン)グループだ。

韓進グループは、大韓航空を経営し、今では事実上国内唯一の航空会社となった。創業者が生んだ功績とは裏腹に、一族の歪みから、世間では「マッチャンドラマ(ドロドロのドラマ)」と後ろ指をさされているほどだ。

韓進グループが韓国中で反感を買った大きな出来事はやはり、2014年12月に起きたナッツリターン事件だろう。創業者の孫であり大韓航空の元副社長のチョ・ヒョナが不当な理由で客室乗務員を機内から追い出すことを強制し「ナッツ姫」と騒がれ、その4年後に妹であるチョ・ヒョンミンが広告代理店の社員に水をかけたパワハラ事件で「水かけ姫」と世間を騒がせた。
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ナッツ姫 謝罪
ナッツリターン事件で謝罪する大韓航空の元副社長のチョ・ヒョナ。報道は加熱した(Getty Images)

一方で、韓進グループの創業者であるチョ・ジュンフンは、韓国の運送事業を大きく発展させた、ビジョンを持った先駆者であった。彼は17歳の頃、日本の造船所で働き、中国など東南アジアに航海しながら働いていた。

そこで彼は「世界はなんて広いんだ。いつか自分が作った船で、もっと広い海を渡りたい」と世界の広大さに鼓舞され、数十年かけて韓進グループを陸海空の運送事業を手掛ける韓国最大級の財閥に成長させた。

結局、争いの絶えない息子たちと孫たちに経営権が渡り、海運会社である「韓進海運」は経営破綻し、一時は財閥の存続の危機にまで陥った。創業者チョの「平等に資産を分け与えたい」という想いが思わぬ方向へと作用し、欲と分裂の絶えない一族となってしまった。

大きな権力を巡った「おかしな」兄弟喧嘩


韓国と日本が生み出した奇妙な財閥とも呼ばれるロッテグループ。ガムを製造する会社だった日から大きく成長し、今では日本を代表する製菓会社となり、韓国では経済と生活を大きく支える巨大な財閥グループだ。創業者シン・ギョクホ(日本名・重光武雄)は、1921年に韓国で生まれ、41年に日本へ渡った。早稲田実業学校を卒業している。
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文=裵麗善/Ryoseon Bae

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