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突然のパートナーの転勤。あなたはついていきますか?

メンバーシップ型雇用が主流の日本では、転勤などで働く場所や期間が変更されることがよくあります。夫婦共働きの場合には、その度に、家族と一緒に暮らすために自身のキャリアを中断するか、あるいはキャリアを構築するために家族と別居するか、という二者択一を迫られる場面が少なくありません。

転勤だけでなく、転職や駐在、子育てなど、さまざまな転機で転居を余儀なくされるケースがありますが、もし、パートナーと共にキャリアを構築しつづけながら家族で一緒に暮らす、という新たな選択肢があればどうでしょうか。

そこで今回は、パートナーや家族の環境変化と自身のキャリア構築をグローバルに両立されている3人のゲストをお迎えし、家族の状況に合わせてキャリアをすり合わせ、柔軟なライフスタイルを築いていくためのポイント、視点について考えてみました。

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1人目のゲストは、米シアトル在住の倉石彩乃さんです。早稲田大学を卒業後、リクルートに入社し、人材育成や研修などに従事されました。結婚、出産を機に退職し、夫が働くアメリカへ移住。子育てと両立しながら仕事を再開し、現在は米アマゾン本社で働いています。ご家族の仕事にあわせての移住はよくあるケースですが、移住先で自力でキャリアを構築した過程をお聞きすべくご参加いただきました。

2人目のゲストは、環境省職員の辻景太郎さんです。2012年より2年間アメリカのUCLAへ国費留学し、現地で知り合ったインドネシア人の女性と2015年に結婚されました。現在は、JICA環境政策アドバイザーとしてインドネシア赴任4年目を迎えます。組織内での交渉を経てインドネシア赴任を実現された辻さんには、赴任地やポジションの選択に制限があるなかでどのように解決策を探ったか、その過程を詳しくお話いただきます。

3人目のゲストは、カリフォルニア在住の瀬尾亜由さんです。2012年にファイザー日本法人を退職後、アメリカのジョンズホプキンス大学へ留学。第一三共(ニュージャージー州)を経て、現在は米国アステックス社にて製薬の研究開発に従事されています。研究者である夫と自身のキャリアをすり合わせながら住む場所や時期を柔軟に選択された過程をお話しいただきます。

※なお、本コラムは全て、発言者の個人的見解であり、いかなる所属組織とも無関係です。

家族のライフステージに合わせてキャリアをすり合わせる


竹崎孝二(以下、竹崎):今日参加していただいた方は皆さん海外にお住まいで、家族と一緒に暮らしながら、かつ、自身もパートナーもキャリアを構築しているという共通点があります。お一人ずつ、キャリアのバックグラウンドをお話いただけますか。

辻景太郎氏(以下、辻):私は環境省の職員で、2012年から14年までアメリカの大学院に留学し、その時にクラスメイトだったインドネシア人とお付き合いを始めて、2015年に結婚しました。3年間の遠距離生活の後、2017年からインドネシアの環境林業省にJICA環境政策アドバイザーとして赴任しており、妻と子供とインドネシアの首都ジャカルタで暮らしています。

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辻景太郎氏:ジャカルタ近郊 バンタルグバン廃棄物最終処分場

竹崎:辻さんの奥さんはインドネシアの財務省で働かれているので、日本の政府職員とインドネシアの政府職員が国際結婚されたというなかなか珍しいケースですよね。瀬尾さんは、いかがですか。

瀬尾亜由氏(以下、瀬尾):私は日本の大学院を卒業したあと、製薬会社の研究開発部門で働いていました。私も2012年から2014年まで、アメリカのジョンズホプキンス大学にMBAと公衆衛生のダブルメジャーで留学をしたのですが、その時に知り合った日本人と2014年に結婚しました。辻さんと似ていますね。

その後3年間は、アメリカと日本、アメリカの東海岸と西海岸という遠距離を経て、私が今の仕事を見つけたことをきっかけに、2018年から西海岸のサンフランシスコでようやく一緒に暮らせるようになりました。

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瀬尾亜由氏

倉石彩乃氏(以下、倉石):私はシアトルのアマゾン本社で働いています。主人は大学時代からの知り合いです。彼は大学卒業後、ボストンの大学院に進学し、そのままアメリカで就職。私は日本のリクルートで仕事をしていました。結婚前から主人には「アメリカに留学に来てはどうか」と言われたのですが、仕事が楽しかったのでためらっていたんです。そうこうしているうちに結婚、子どもができ、良い機会だということでアメリカに移住して、今に至ります。

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倉石彩乃氏:ご家族と

文=伊藤みさき 構成=竹崎孝二

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