時代を読む、東京ホテルストーリー vol.7「オークウッドプレミア東京」

最上階19階の2ベッドルーム エグゼクティブのリビング。ガラス張りで明るい部屋には19階のみテラス付き。都心の整然としたパノラマ

男女を問わず、社会で活躍するエグゼクティブたちは、魅力溢れる東京のホテルをどのようにお使いだろう。

せめて月に一度くらい、可能なら二度でも三度でも、誰にも邪魔されず、両手を伸ばして深呼吸をするために滞在するのはどうだろう。

東京のホテルは、時に伝統文化や江戸の粋が活かされ、また時には、都会らしい最新鋭設備を纏うなど、それぞれが個性的に進化を遂げている。

ゆったりと異空間に身を委ね、すべてを忘れて過ごす癒しの時間。まずは週末、金曜日の夜にチェックインして、日曜の午後まで、別宅で過ごすように、自分独りで夢想に浸るのも今どきの流儀であろう。

 ホテルジャーナリスト せきねきょうこ


JR東京駅に隣接し、丸の内の絶好のロケーションにありながら、「オークウッドプレミア東京」(ホテル&サービスアパートメント)の存在を未だ知らない人が多いというのは、「都会の隠れ家」として考えるなら最高の条件と言えそうだ。

1969年に米国ロサンゼルスで誕生した「オークウッド」ブランドは、ホスピタリティ業界で50年以上のキャリアがあるサービスアパートメントのパイオニアでもある。国内には現在12軒があり、2021年秋には、東京の東麻布と京都に開業予定というからニーズの高さには勢いがある。


1階でボタンを押し確認ができたら6階のレセプションへ。この階にはレジデンツ・ラウンジとバーがある。

「オークウッドプレミア東京」の入る「鉄鋼ビルディング」は、2021年1月1日から、日本初の再生可能エネルギー由来電力100%導入の大規模複合ビルとして、ENEOSと電気需給契約を締結。これにより年間8000トンのCO2削減が見込めるという。

そのビルの背景もあり、クリーンエネルギーのみならず、ホテルは廃棄物の総量削減やリサイクル率向上などサステナブルな環境創造に取り組み、社会的責任の一環を担っている。ビル全体が新しいこともあるが、免震構造であることも滞在する際の安心感につながるはずだ。


ルームサービスが多いという朝食だが、このラウンジ内でも朝食は可能。

ホテル開業は2016年2月、客室数は全123室。前記のように商業施設ビルの5階~最上19階までをホテルが占有し、セキュリティやプライバシーの点からも、宿泊客とのミーティングや会議、食事などは別として、宿泊客以外の人は基本的に出入りができない。


宿泊者が一緒なら滞在者以外も打ち合わせなどが可能。静かにプライバシーが守られる環境。

全室に、家具や調度品、フルキッチン、高速インターネット、エンターテインメントシステム、ケーブテレビなどが完備し、レセプションにはホテル同様にバイリンガルスタッフが常駐、車の手配やランドリーのリクエストまですべてを取り次いでいる。


ロビー階にあるバーコーナー

館内、客室内の装備にはこだわりがあり、派手さや華やかさとは違う上質感がある。そしてもう一つ、とっておきは、カーシェアリングサービスというハイエンド車3台(いずれもスタイル違いのメルセデスベンツ)が用意され、滞在者は破格の料金でレンタルが可能となるサービス。その都度レンタカー店に駆け込まなくても、ホテル内で予約をして高級車に乗れるとは嬉しい限り。
次ページ > スタッフとは顔見知りに

文=せきねきょうこ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事