I explore medical controversies thru behavioral econ and bioethics.

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6歳児に「女の子はお医者さんになれる?」と聞けば「なれる」と言うかもしれない。女性が医者になること自体は可能であると知っているからだ。(あるいは、それが求められている答えだと分かっているからかもしれない)

しかし子どもは実際、本当に女医の姿を思い浮かべるだろうか?

英サセックス大学の研究者らは、子どもたちがどのような固定観念を持っているのかを明らかにするための巧みな方法を発見した。

研究者らは、5~10歳の子どもを集めてさまざまな職業の人のふりをさせる調査を実施。子どもが通常話す声と比べて声の高さをどのように上げ下げするかを確認することで、まねをしている対象が男女どちらを示唆しようとしているかを見極めた。

研究者らはまず、子どもに「羊は青い」「昨日はどこにいたの?」などの章を声に出して読ませ、通常話すときの声を確認。その後、子どもに同じ文を今度は機械工や看護師になったつもりでもう一度読み上げるよう指示した。

その結果、医師のふりをしているときは子どもの声は変化しなかった。これは、子どもたちが医師をどちらか特定の性別に偏った職業として考えていなかったことを意味する。医師は現在、もはや男性中心の職業ではないことに子どもたちは気づいているようだ。筆者のような医師にとっては朗報だ。

しかし、そうではなかった職業もある。子どもたちはベビーシッターや美容師、看護師のふりをした場合に声の高さを上げることが多かった。こうした職業に就いている人を女性的と考えていた証拠だ。また、建築業者やトラック運転手、機械工などのふりをしていたときには声が低くなった。

こうした固定概念は、男女どちらの子どもにも見られた。さらに、5~10歳の間で年齢が上がるにつれ性別と職業に関する固定概念の程度は増えていた。

筆者は医療従事者として、看護師には最良の人材が必要だと考えている。きちんと訓練を積んだ看護師がいるかどうかは、多くの患者の生死を分ける問題だ。才能ある男性が看護師の道を目指さなければ、才能ある女性が看護師を辞めた場合と同様、社会全体の損失となる。

子どもがこうした年齢で、年を重ねるごとに看護師に関する固定観念を持つようになり、男性は看護師を目指すものではないと考えるようになるのは憂慮すべきことだ。

翻訳・編集=出田静

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