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2021.03.06 06:00

トヨタも採用の3Dプリンターメーカー、SPAC上場で時価総額2200億円へ


Teremは、伝統的なIPOも検討したが、SPACとの合併の方が上場のタイミングと効率性などの面でメリットが大きかったという。「ハーツとのつながりは、重要なポイントだった。今回のディールにより、我々は製品イノベーションと海外展開を加速させることが可能になる」とTeremは話す。

急拡大する3Dプリンター市場


3Dプリンターの産業利用は増えており、コロナ禍におけるグローバルサプライチェーンの補強に大きな役割を果たしている。13兆ドルと言われる世界の製造業市場において、3Dプリンターが占める割合はまだ小さいが、市場規模は急速に拡大している。Wohlers Associatesの推計によると、今年の市場規模は2012年の9倍増となる180億ドルで、2029年には1180億ドルに達するという。

Markforgedは、2018年のフォーブスの「次世代スタートアップ企業(Next billion-dollar startups)」に選出されていた。同社の顧客には、NASAやトヨタ、ポルシェ、ボッシュ、テスラ、米空軍などが含まれる。SPACとの合併後、同社はMKFGのティッカーシンボルでニューヨーク証券取引所に上場する。

Markforgedの同業では、「Desktop Metal」が昨年末にSPAC上場を果たしている。同社の株価は値動きが荒いが、現状は23ドルで時価総額は52億ドルとなっている。ハーツは他にもSPACの立ち上げを考えているという。「今回のSPACの名称はOneだが、他にもTwoやThreeを視野に入れている」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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