世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版


続木:普段考えていることを自分の中に留めるんじゃなくて、友達に言ってみるだけでも違うんじゃないかなと思います。対話を生むことができたら、自分と違う価値観に触れられて自分の価値観が醸成されていくと思う。

自分の中で「こうなってほしい」とか「こういう社会に生きたい」という思いができたら、自ずと活動している人と出会えたり、ニュースの記事を読んでも感じ方が少し変わるのではと思っています。自分の価値観をまず知ることが大事だなと思います。

U30世代は、社会へのモヤモヤに敏感?


──最近モヤモヤしたことを覚えたことを教えてください。

続木:1月22日に核兵器禁止条約が発効されたんですけど、その条約を日本は批准していないんです。核保有国の同盟国として核兵器の抑止力を提供され、安全が保障されるという「核の傘」に頼る日本の立場を考えると批准するのは難しい。でも人道的に核兵器の廃絶に参加しないのはどうなんだろうという意見が世論では高いと思うんですね。両方を考えると自分はどういうスタンスをもってこれから政治を見ていけばいいんだろうと、本当に難しいトピックだなと思います。

私たちはみんなが核のない世界を目指すという共通の目標を掲げていることを前提にインスタグラムで解説する投稿を作ったのですが、それはそもそも可能なのか? と指摘を頂いて、考えが及んでなかったことに気づきました。


田中:ジェンダー平等ってなんだろうと、自分の中でも結論が出ていなくてモヤモヤしています。例えば組織の中で男女比が5:5になることなのか、それとも性別に関係なく評価されて仕事が与えられることなのか、すごく難しいなと思って。

ある企業が新卒採用の5割を女性にすると発表していました。採用されたら嬉しいけど、自分が女性だったことがプラスになったのかな? 男性だったら違ったのかな?と、そういうことを考えちゃうなと思って。本当にジェンダー平等というなら性別を書かずに顔写真がない方がいいんじゃないかと思う反面、歴史的な背景から男女のいまいる立場を考えると、機会を生み出すのも大事だと思うし。

能條桃子
NO YOUTH NO JAPAN代表 能條桃子

──今後始まるNYNJの連載名が「U30と考えるソーシャルグッド」ですが、ソーシャルグッドなことと政治の関わりについてどう感じていますか。

能條:社会課題の根底には結局政治があるから、社会にいいことをするのと政治は切っても切れない存在なのかなと思います。

仕事を通じてとか、消費者としての選択だけでなく、もっと広くソーシャルグッドって捉えられるんじゃないかと思います。そうやって広く考えて、豊かな人生って何だろうとみんなで考えたいです。

田中:社会にいいことを決めるのって単純に見えて難しいことだと感じます。自分がいいと信じていることが誰かを苦しめていることもあるので、まずはそれをちゃんと理解して、理解するためにステークホルダーの方に話を聞いて、ひとつの問題を多面的に読者の方と考えていければなと思います。

U30は狭間にいるというか、さまざまなことが変化している時代に価値観を形成している世代だと思います。社会へのモヤモヤや、自分って何を信じたいんだろう? ということにすごく敏感な世代だと思うので、そうした人たちがいろんなことを考えるきっかけになればいいなと思います。

続木:政治じゃ補えないことや足りないことに働きかけるのが私たち個人や、ビジネスセクターだと思うので、そういう人が何を考えてソーシャルグッドに生きているのかを自分も知りたいです。もっと社会ってこうあるべきとか、なんでこうなんだろう?と思っている人たちが「こういう考え方もあるんだ」と知れる機会になればいいなと思います。

政治に対して絶望感のようなものをもっている人も多いと思うけど、ソーシャルグッドに生きたいと思ったら行動に移すこともできるということを、連載を通じて伝えていきたいです。


*新連載「U30と考えるソーシャルグッド」はこちら>>

文=河村優

PICK UP

あなたにおすすめ