インスタグラムは3月1日、最大4人のユーザーが参加するライブ番組を配信できる「ライブルーム(Live Rooms)」機能を導入するとアナウンスした。この新機能は、「複数のホストが参加するトークショーやポッドキャスト番組などを意図したものだ」と、同社の広報担当は述べている。インスタグラムのライブ配信機能はこれまで、最大2人がホストとして参加可能だった。
インスタグラムのライブ配信機能は、パンデミック後に各地でロックダウン体制が敷かれる中で、支持を拡大した。例えば人気DJのD・ナイスは、ドレイクやリアーナ、ミシェル・オバマなどの著名人を招いたパーティをインスタグラム上で開催して話題となった。ラッパーのショーン・コムズの息子の、ジャスティン・ディオール・コムズが開催したイベントも大きな話題を呼んだ。
しかし、インスタグラムは立ち上げから1年足らずで評価額が10億ドルに達したクラブハウスとの競争に直面しており、クラブハウスのコピーとも言える機能を盛り込むことになった。クラブハウスにもRoomsがあり、これはオーディオのみに対応する機能だが、ロックダウン中にテック業界やエンタメ業界を中心に大きな支持を確立している。
インスタグラムはTikTokとも争う姿勢を見せており、昨年夏に最大30秒のショートムービーを作成・編集・投稿できる機能のリール(Reels)を導入した。
クラブハウスに対抗する姿勢を見せているのは、インスタグラムだけではない。同社の親会社のフェイスブックもクラブハウスを意識した機能を開発中と報じられている。ツイッターも、音声チャットルームの「スペーシズ(Spaces)」のテストを実施中だ。
インスタグラムはさらに、ライブルームで番組を配信するクリエイターに、収益化の機会を与えようとしている。同社は昨年、投げ銭機能の「バッジ(Badges)」を利用可能にしたが、ライブルームにもこの機能が導入され、視聴者はクリエイターを支援することが可能になる。これは、ソーシャルメディアでの収益化を考えるクリエイターにとって、非常に役立つツールになりそうだ。