しかし、月替り効果は消えたというコンセンサスがあるわけではない。タイミングの問題だった可能性もある。資産運用会社ロベコ(Robeco)の研究チームによれば、1963~2008年の米国市場に関して言えば、この効果は依然として有効だった。
この知見を裏付けるように、1991~2008年の日本、ドイツ、米国市場に注目した別の研究でも、やはり月替り効果が観測された。ただし、効果が薄れたという見解と、まだ効果はあるという見解は、必ずしも矛盾するわけではない。実際、カレンダー効果の多くは、1990年代前半に薄れたあと、最近になって復活してきたように見える。
効果を取り入れる
この効果がまだ有効である場合、税務上の問題についても考慮する必要がある。課税対象口座の保有期間が1年未満である場合、長期保有に比べて、キャピタルゲインが上昇する可能性があるのだ。そのため、月替り効果を利用した取引は、一部の人にとって逆効果になるかもしれない。少なくとも、バリュー投資のようにはるかに長い保有期間を設定する戦略に比べると、節税効果が低くなるおそれがある。
月替り効果はおそらく、株式市場のカレンダー効果のなかでも最も強力なものだろう。だが、このような単純な法則が、最初に発見されてから長い年月が経った今でも、なぜリターンを高めることができるのかは明らかになっていない。