ビジネス

2021.03.01

オンライン小売で台頭する、キュレーション型サブスクリプション

Ostanina Anna / Shutterstock.com

オンライン小売業界に、新しいトレンドが生まれつつある。その中心をなすのが「キュレーション」だ。

試しに今、インターネットを検索してみてほしい。製品を組み合わせてボックスに詰め、配送してくれるキュレーション型サブスクリプションサービスが増えているのがわかるだろう。その中身は、スナックから飲み物、コスメのほか、地域をテーマにしたギフトなどさまざまだ。

こうした傾向を、マッキンゼー・アンド・カンパニーのデータがさらに裏づけている。同社の調査から、「キュレーション型サブスクリプションサービス」、つまり個別の好みやニーズに合わせて組み合わされた製品を定期購入できるサービスを好む利用者は、ボックスが配達されるタイプのサブスクリプション全体の55%を占めていることがわかった。

食料品と飲み物の最新動向を紹介するニュースレター「Snaxshot」の発行者アンドレア・エルナンデス(Andrea Hernndez)によると、キュレーション型が増加傾向にあるのは、市場が飽和状態にあることと、ブランドが次々と誕生していること、1カ所で何でも買える「ワンストップ・オンラインショップ」の品ぞろえがあまりにも豊富で、消費者が戸惑ってしまうことへの反動が原因だという。

「キュレーション型サブスクリプションは、商品を探す手間が省けるのがポイントだと思う」とエルナンデスは話す。

「だからこそ、各ブランドもD2C(Direct to Consumer)というビジネスモデルに参入している。たとえばペプシコも『Pantry Shop』というサービスを立ち上げ、さまざまな目的に応じて自社製品を組み合わせて販売している」

たしかに、オンラインショッピングでは数に圧倒されてしまうのが悩みのタネだ。たったひとつの製品を検索しただけで、20万件を超える結果がヒットすることがあるうえに、似たり寄ったりのものばかりが並ぶ。では、消費者は何を基準に購入する製品を選べばいいのだろうか。

そんなときは「キュレーション」と入力してみよう。ここ最近よく見かけるようになった、人気のキーワードだ。

オンラインショッピング業界内でキュレーション型サービスが目立っているのは明らかだ。たとえば「Tiny Bodega」は、夕食やスナック、ブランチなどの場面に合わせて料理アイテムを詰め合わせたボックス「Discovery Box」を提供している。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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