ビジネス

2021.03.01

オンライン小売で台頭する、キュレーション型サブスクリプション

Ostanina Anna / Shutterstock.com


おしゃれなポップアップストア(期間限定店舗)形式の食料品店を展開する「PopUp Grocer」も、2020年の年末から年明けにかけて、米百貨店ノードストロームと提携して、期間限定のセット商品を販売した。PopUp Grocerの創業者エミリー・シルト(Emily Schildt)が勧める150ブランドの食料品と飲み物を組み合わせたセットだ。

インフルエンサーたちも、こうした流れに乗っている(それに伴って、熱心で忠実なフォロワーたちも、キュレーションを利用するようになっている)。たとえば、健康食品のキュレーションサイト「BubbleGoods」では、ウェルネスやフィットネスの専門家や料理研究家などが愛用する製品を紹介しており、それを購入することも可能だ。

ギフト分野でも、キュレーションされたプレゼント用の品を配達してもらえる便利なサービスがあり、新型コロナウイルスが感染拡大した最近は需要が急増している。実際、2021年1月のホリデー期間中に、消費者1100人以上を対象に行われた買い物習慣に関する調査では、45%がギフトの大半をオンラインで購入したと回答した。

キュレーションしたギフトボックスを提供しているサイトのひとつが「My Trove Box」。インテリアデザイナーでマーケターのカーリン・シュリーシルパナンド(Karin Srisilpanand)が創業したサービスだ。

My Trove Boxは、アーティストや女性、マイノリティが経営する工房の支援に重点を置きつつ、統一されたセンスのインテリア装飾品をキュレーションしている。また、興味深いエピソードが背景にあるアイテムにも力を入れており、制作者とつながりがあったり、持続可能な方法で作られていたりするものが多い。

シュリーシルパナンドは、「ライフスタイルやインテリア雑貨を届ける現行のボックス型サブスクリプションには、一般的に、あまり意味のないものが多く含まれており、結局は引き出しの奥にしまい込まれたり、捨てられたりしてしまう」と話す。

「私たちは、モノが増えれば価値も増えるというモデルとは一線を画したサービスを提供したいと考えていた。それに、家にただ装飾品を並べればいいというものではない。家を飾るときは、装飾品の美しさと、それに備わった複数の機能について、社会的な責任と高い意識を持つべきだ」

オンラインショッピング業界は、新しいブランドが続々と立ち上げられており、日増しに過密化している。そんななかでキュレーションサービスはブランドにとって、新たに消費者の関心を集め、ブランドの知名度を上げ、ひいては売上を呼び込んでくれるカギとなる可能性がある。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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