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2021.03.01

医療データをクラウド上で連係、米スタートアップRedoxが48億円調達

(c) Redox


リドックスの仕事は、さまざまなシステムの「配管」をつなぐことだけではない。各ソフトウェアのバージョンやアップデートを考慮しながら、データ連係を管理しているほか、異なるシステム間のトランスレーターの役割も果たしている。

医療情報の電子的な交換では、「HL7」や「FHIR」といった共通言語にあたる規格があるものの、最高技術責任者(CTO)のロイドによると、そうした言語には「方言」があり、互いに何を言っているのか理解できないこともあるという。

家庭用血圧計などを手がけるオムロンは1年半前、患者の遠隔モニタリングの実証実験の一環で、臨床統合分野でリドックスと提携した。オムロンで遠隔モニタリング・臨床プログラムを統括するジョン・ラスティグは「リドックスのおかげで、(医療提供者側によるシステムの)運用実態がつかめるようになった」と述べている。

リドックスは現在、デジタル医療関連の法人顧客350社を擁し、1400あまりの医療機関を結びつけている。同社はこれまで医療提供者向けサービスに注力してきたが、患者データの相互運用性に関する連邦政府の新たな規制が施行されたことなどから、投資家は健康保険会社向けのサービスにも注目する。CEOのボニーも、この市場には「非常に大きなチャンス」があると参入に意欲を示す。

編集=江戸伸禎

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