自動運転オーロラがチップ開発企業「OURS」を買収、LiDARを小型化へ

(c) Aurora

自動運転システムを開発する「オーロラ・イノベーション」は、昨年12月にウーバーの自動運転部門のATGを買収したのに続き、複数のセンサーを一つのチップに統合する技術に特化したスタートアップの「OURSテクノロジー」を買収する。OURSテクノロジーの技術は、自動運転トラック向けのライダー(LiDAR)システムの低コスト化や小型化に役立つという。

オーロラは2019年にFMCW(周波数変調連続波)方式のライダーを開発するブラックモア(Blackmore)を買収した後に、FirstLightと呼ばれるライダーシステムを生み出したが、センサー・フュージョン技術に強みを持つOURSは、そのシステムをソリッドステートチップに統合する。オーロラは買収額を開示していない。

カリフォルニア州サンタクララ本拠のOURSは、PitchBookのデータによると創業以来、累計約580万ドル(約6億2000万円)を調達している。OURSの十数人のエンジニアたちはオーロラに入社し、ベイエリアのオーロラのオフィスで勤務することになる。

「ライダーなしでは、高速で走行する自動運転車を安全に市場に投入することはできない」と、オーロラCEOのクリス・アームソンは語った。「試してみても成功はしない」と彼は述べている。

元グーグルの自動運転部門の主任エンジニアであるアームソンは、テスラのオートパイロット機能の開発を主導したスターリング・アンダーソンや、カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンティストのドリュー・バグネルらと共にオーロラを設立し、大型トラック向けの自動運転テクノロジーに注力している。

高速道路を比較的高速で走行する大型トラックを自動運転で走行させるためには、ライダーシステムが必須となるが、それらは手頃な価格である必要がある。ライダーのコストは以前の1台あたり数万ドルから、現在は数千ドル程度に下がっているが、大規模な商用利用にはまだコストがかかりすぎている。
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編集=上田裕資

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