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科学的根拠の増加や、臨床医・患者団体からの圧力の高まりにより、今後は精神疾患を持つ人への対応としてワクチン接種戦略を変える国があるかもしれない。

欧州がまさにその例だ。研究者らは今回の論文で、ワクチン接種戦略に当初から精神疾患の患者が含まれていたのは英国だけだったと述べた。その後、新たな証拠に基づきドイツやデンマークが方針を変更し、オランダは心の健康に関する団体の要請を受けて方針転換した。

米疾病対策センター(CDC)は現在、新型コロナウイルス感染症が重症化するリスク要因に精神疾患を挙げておらず、この集団はワクチンの優先接種リストに載っていない。CDCが、新型コロナと精神疾患のつながりを示す科学的証拠が増えていることを反映するためにこの指針の変更を計画しているかどうかは不明だ。

ランセット・サイカイアトリに11月に発表された査読済みの論文では、精神病と新型コロナウイルス感染症の関連性が裏付けられた。同論文によると、新型コロナウイルス感染症患者の5人に1人近くが、ウイルスに陽性反応が出てから3カ月以内に精神疾患を発症していた。また、新型コロナウイルスが流行する前年に精神疾患の診断を受けていた人は、新型コロナウイルス感染症だと診断される確率が約65%高かった。これは、他のリスク要因を加味しての結果だ。

統合失調症は特に深刻で、リスク要因としては年齢に続き2番目とされた。統合失調症の患者は統合失調症でない患者と比べ、新型コロナウイルス感染症で亡くなる確率が3倍ほどだった。

新型コロナウイルス感染症そのものだけではなく、ウイルスの流行を抑えるための公衆衛生上の措置によっても大きな影響が出ている。ロックダウン(都市封鎖)と社会的孤立が長引くことにより、不安やうつ病が誘発されているとの悲惨な報告もある。

翻訳・編集=出田静

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