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イノベーション・エコシステムの内側


特に顕著なのが偶然性の減少だ。次世代の衛星ナビゲーションに焦点を当てた急成長中のスタートアップ Xona Space SystemsのCEOであるBrian Manning氏は「潜在的な投資家やビジネスパートナー、その他の人々との繋がりを作っていた対面カンファレンスの減少は、ビジネス開発にダメージを与えている。これまで人々は、カンファレンス後に適当な人を見つけて廊下で握手を交わしたり、ランチをしたりすることで新たなチャンスを得ていた。そのような環境をどうやって再現するか苦労するだろう」と語り、White-Summers社のMark White氏も「ミートアップやイベント、カンファレンスで偶然おもしろい人に出会うといったセレンディピティやランダム性がなくなった。既存の人間関係の活用を中心とした、これまでとは全く異なる方法でビジネスが動いている」と語っている。

ランチミーティグする様子
Photo by K8 on Unsplash

既存の人脈を介してネットワークを構築し必要な人材を得るためには、今まで以上に戦略を練り、双方にとって価値のある交流となるように事前調査等の準備に力を入れるといい。

Michelle氏はオンライン会議を成功に導く術を教えてくれた。「オンラインツールを活用して人脈を広げるには、(1)会いたい人とその理由に適したプロフィールを作成し(2)既存の連絡先を介してその人たちへの道をナビゲートするというプロセスが基本。以前のように直接会って『直感チェック』をすることが出来ない今、LinkedIn等のツールは重要であり、最新のプロフィールや紹介文、オンライン会議で相手に提供できる価値、アフターフォローの方法などの、すべてが事前に精査される。また、限られたオンライン会議の時間内にメッセージや要望を明確に伝える必要があるため、有意義な時間となるよう事前にメンターやアドバイザーと相談しておくのも良い。ミーティングのエチケットは、リスニングスキルと同様に、今後さらに重要になる。会議の開始・終了時間を守り”ズーム疲れ”を予防しよう」

現在、私たちはビジネスを進める上で、新たな課題に多く直面している。しかし、間違いなく、世界中の賢い起業家達がそれを解決する製品やサービスを提供することになるだろう。自宅で過ごしていると変化を目にする機会が減り、知覚することが難しいが、確実に進化は続いているのだ。

シリコンバレーには「交通量が悪い時は景気が良い」ということわざがある。

テックトレンドに詳しいテクノロジー・エバンジェリストのRobert Scoble氏は、「シリコンバレーは何度も変形して、以前とは違うものに変貌を遂げつつある。自動運転等の高性能なコンピュータサイエンスもここで行われていくだろうし、シリコンバレーは非常に楽観的な場所だ」と語った。

ロバートの写真
Robert Scoble|世界的に著名なテクノロジー・エバンジェリスト。『コンテキストの時代—ウェアラブルがもたらす次の10年』などの共著者。

絶え間ない変化はシリコンバレーの礎なのだ。シリコンバレーに残ることを決めた者達は、コロナ禍に生じた課題を解決するのは自分たちだと信じ、チャンスを掴もうとしているようだ。

文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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