この事故を受けて、ウッズが運転していたSUV「GV80」に大きな注目が集まっている。GV80は韓国ヒュンダイの高級車ブランド、ジェネシスの最新モデルで、価格は約5万ドル(約530万円)。ウッズは同社がスポンサーを務めるゴルフイベントの一環としてこのSUVを運転していた。
GV80は新型モデルであるため米道路安全保険協会(IIHS)による安全性評価をまだ受けていないが、同じジェネシスのG90やG70はあらゆる面で優れた評価を受け、名誉ある「トップ・セーフティー・ピック」にも選ばれている。G80やGV80も安全試験で同様に優れた結果を出すことだろう。
筆者自身も、GV80を運転した経験から、その信頼性と安全機能については太鼓判を押せる。以下に、GV80が持つ安全機能の一部を紹介しよう。
・10個のエアバッグ
前方中央に搭載されたエアバッグは、側面衝突の際に0.3秒で展開し、運転者と助手席の同乗者が互いや車内の部品にぶつかることを防ぐ。加えて、運転席と助手席のフロントとサイド、運転席の膝部分、左右のカーテン、後部座席の左右にエアバッグが搭載されている。
・機械学習を用いた先進運転支援システム(ADAS)
これはカメラやセンサーを用いて障害物を検知したり、衝突の衝撃を最小化したりする機能だ。GV80は機械学習を使いこれらの機能を強化し、スマートクルーズコントロール(SSC)や高速運転支援(HDA)に活用している。
SCC機能をオンにすると、アクセルやブレーキを自動的に調整し、前方の車と一定の距離を保つことができる。2021年モデルでは機械学習により、SCCがオフの時もドライバーのアクセルのタイミングや応答性、車間距離を学び、SCCをオンにした際にそれと似た動作を再現する。
HDAも機械学習によって強化され、ドライバーの行動に基づいてハンドル動作や応答性が調整される。こうしたパラメーターは運転モードの選択により調整が可能だ。そのほかの改善点としては、ドライバーの判断による車線変更や、低速で割り込んできた車を回避する際の応答性の改善、他の車が接近した際に車線内での自車の位置を調整する機能の追加などがある。