同意見書は、「国家としての中国も、ジェノサイドに対する刑事責任を問われる可能性がある」と強調している。また、「重大な国際犯罪は、あらゆる国が懸念するものであり(中略)現在も進行しているウイグル族に対する残虐行為を防ぐために、各国政府は是が非でも緊急行動を起こさなければならないと我々は考えている」と強く訴えている。
同意見書は各国に対し、そうした残虐行為がジェノサイドであり、人道に対する罪であることを認める公式声明を出すよう促している。
また、企業に対しても次のように警告している。「中国国外を拠点としつつ、(新疆における)強制労働を利用している、もしくはその利用から利益を得ている企業も、本社もしくは子会社が拠点とする国の国内法にもとづき、民事責任や規制当局の制裁の対象となる可能性がある。これは、さらに詳細な分析をする価値があると我々が考える、現在の重要な論点だ」
一方、ロンドンの中国大使館広報担当者は先頃、こうした主張は「根拠がない」とする声明を発表した。だが、増えつつある証拠をそのように否定し、はねつけるだけでは、もはや十分ではない。すでに、全面的かつ透明性のある調査を実施し、説明責任を果たさなければならない局面に至っている。だが現時点では、その方向での対応は満足のいくものではない。
英国議会上院では2月末に、高等法院がジェノサイドの事例を審理し、それに関連する決定を下せるようになる貿易法に関するジェノサイド修正案をめぐる採決が行われる予定だ。この法案が成立すれば、ウイグル族の事例を高等法院が審理できるようになることから、大きな期待が寄せられている。