Analyzing tech stocks through the prism of cultural change.


このバリュエーションは、食品ビジネスの標準を大きく超えるものだ。ビヨンド・ミート株は当時もいまも、テクノロジー企業株のように取引されている。投資家たちは、食生活の新たな道を切り開くビヨンド・ミートの壮大なビジョンに乗ったのだ。同社は、11兆7000億ドル規模とされる世界の食品業界を少しずつ変えていくことを目指している。

ビヨンド・ミートははじめから、規模拡大と人材に重点を置いて投資を行ってきた。経営陣は、IPOで得た資金でサプライチェーンを構築。また2019年9月には、アマゾンでロジスティクスに長年携わってきたサンジェイ・シャー(Sanjay Shah)を最高執行責任者(COO)として迎えた。シャーは就任から1年以内に、小売り大手のウォルマートとターゲット、カナダやヨーロッパの大手食料品店チェーンと流通契約を結んだ。

ビヨンド・ミートの幹部はまた、ファストフード業界へのアプローチにも力を入れ始めた。ハンバーガー店「カールスジュニア」やメキシコ料理「デルタコ」、ドーナツ店「ダンキン」などがすでに、ビヨンド・ミートの製品を使ったメニューを提供している。

ビヨンド・ミートは2021年1月、米ペプシコとも提携し、植物由来たんぱく質を用いたスナックと飲料を開発することを発表した。

ビヨンド・ミート幹部によると、同社の製品は現在、11万2000にのぼる食料品店、レストラン、ホテル、大学で購入できる。

それは道理にかなっている。考えてみると、牛とは、腸の働きで牧草を肉へと変化させる機械のようなものだ。そして、ビヨンド・ミートはその中間プロセスをバイパスしているだけなのだ。

ビヨンド・ミートは2020年11月、第3四半期決算を発表した。結果は予想を下回ったものの、同社のイーサン・ブラウン最高経営責任者(CEO)は、積極的な事業拡大計画を撤回することはないと述べ、パンデミックのさなかでありながら、売上が前年比で63%増と大きく伸びたと指摘した。

また、セールス・ベロシティ(製品が流通に乗ってから売れるまでの速度を示す指標)は、業界平均の3.5倍だった。セールス・ベロシティは一般的に、流通ポイントが増えるのに伴って低下するものなので、これは大きな意義がある。

植物由来たんぱく質は、フードサービスのエコシステムの中でも最も速い成長を遂げている分野であり、ビヨンド・ミートは、この分野におけるカテゴリーキラー(特定商品を、圧倒的な品ぞろえと安さで展開して他社に打撃を与える企業)と言える。

3Dプリンターでステーキ肉を製造する技術で話題となっているリディファイン・ミートのような革新的企業が登場したこともあり、植物由来たんぱく質分野は、今後もますます成長していくだろう。

ビヨンド・ミートの株式は現在、株価売上高倍率(PSR)が27.3倍、予想株価収益率(予想PER)が933倍だ。ただし、成長サイクルの現段階では、利益で見るのは不適切だ。売上の伸びだけをベースにすれば、同社株価は、2月16日時点の173.04ドルから44%増の200ドル台半ばで取引されるべきだろう。

グロース投資家は、ビヨンド・ミート株の押し目を狙って買うことができるだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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