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ゼロイチの創り方を考える


シルバーの筒の上から、抹茶の原料となる碾茶を投入すると、中に仕込まれたセラミック製の臼が碾茶を細かい粉に碾き、筒の下から粉末の抹茶が落ちてくる。筒の下には、専用の透明なグラスに水を入れてセットしておき、その中では磁力で回転する攪拌棒が高速で回り、抹茶を点てていく。

理科の実験で使うスターラーをイメージするとわかりやすい。実際に、碾茶を入れてボタンを押すだけで碾きたての抹茶が完成するのである。



抹茶は他の液体とすごく相性が良いのだという。ミルクを入れれば抹茶ラテになるし、水で割ればコールドブリューになる。お酒に合わせても美味しいという。

取材時には炭酸水で割った「スパークリング抹茶」を飲ませてもらった。炭酸のスッキリとした口当たりの中に抹茶の旨味が溶け込んでいて飲みやすく美味しい。Cuzen Matchaは碾きたての上に水出しなので、茶葉の旨味とフレッシュさを余すところ無く引き出せるそうだ。

本当に美味しいお茶をビジネスに


Cuzen Matchaの最大の特徴は、粉の抹茶を使うのではなく碾茶を飲む直前に碾いて「フレッシュ抹茶」として愉しめる点だ。マシーン開発の際、粉の抹茶から抹茶(液体)を作るマシーンを開発する方が技術的には遥かに簡単だったが、塚田はそうしなかった。



それは「お客様に、本当においしい抹茶を飲んでほしかった」から。粉の抹茶であれば、街なかのお店やECサイトなどで、簡単に手に入れることができる。そういった抹茶には、品質が良いものもあれば、あまり良くないないものもある。塚田に言わせれば、それでは「お客様が飲むときの品質をお客様に委ねることになってしまう」ことになる。

「私達が茶農家さんを訪ね、オーガニックでおいしい碾茶をしっかり見極めお届けすることで、Cuzen Matchaを気に入ってくださったお客様がその後も私達から茶葉を購入くだされば、私達は生産者の方々から適正価格で茶葉を仕入れさせていただくことが可能となります」

そう塚田が話すように、使用する茶葉まで自社商品に限定することで、顧客から生み出される価値を最大化するというビジネス上の狙いも大きい。抹茶が簡単に手に入る一方で、粉になる前の状態の碾茶を一般消費者が手にすることは難しいため、このモデルがうまく機能する。

文・写真=入澤諒

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